元老サッカー人のA氏は、「チョン会長は3年前、FIFA評議会委員とAFC副会長職の選挙で落選した。国際舞台で韓国サッカーが声を出せる窓口を事実上すべて失ったわけだ。アジアカップ誘致合戦に出たのは良いが、途中放棄もしたのではないか」とし、「中東の資金力に言及する前に、外交力復活のためにどれだけ努力したのかを問い詰めたい」と語気を強めた。
また、サッカー行政の専門家B氏は、「外交というのは“地道さ”と“Win-Winな関係”が基本だ。昔みたいに人と会ってティーカップのセットをプレゼントし、ワインを一杯飲んだからと言ってすべてが解決する時代ではない。カタールなどの中東諸国はただお金が多いだけではなく、大会誘致に関する力量とシステムが世界トップレベルだ。元々勝算のなかったゲームと言えるが、KFAや元選手の行政家などは、これといった誘致戦略もなく、政府に支援を要請した。政府も明確な調査過程を経ず、ただ“Again 2002”だけを叫んでいた。恥ずかしいが、これが韓国サッカーの現在地だ」と強調した。
チョン会長は昨年1月、KFA第54代会長として3度目のKFA首長職を引き受けたが、「外交力復活」が最優先課題に挙げられていた。
しかし、KFA内部でも、この3年間で外交をテーマにした特別な戦略は見られなかったという話が出ている。
KFAの事情に詳しい局長C氏は、「チョン会長はAFCで支持を得られなくなって久しいが、実務陣からは古風な方式の誘致外交戦略を執ったと聞いている。おそらく(誘致成功が)叶わないと思いながら、虚しい気持ちで誘致をしていたと思うと、残念な気持ちになる」と言及した。
単なるアジアカップ誘致失敗に終わるのではなく、韓国サッカーの世界的発展にまた別の闇の影が垂れ込むのではないかと懸念する声が多い。
なお、KFAは今回の誘致失敗に際し、「誘致失敗に伴う深い反省とともに、今後の国際競争力とサッカー外交を強化するための方案について、より多く研究して実践する」と立場を明らかにした。