韓国Kリーグ、ACLで東南アジア勢に3チーム全敗の衝撃…試合後に各指揮官が語った言葉とは

2022年04月19日 サッカー #ACL #Kリーグ

韓国Kリーグにとって衝撃的な日となった。4月18日に行われたアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)東地区グループステージ第2節で、Kリーグの3チームがいずれも黒星を喫したのだ。

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この日、グループFの大邱(テグ)FCはライオン・シティ・セーラーズ(シンガポール)に0-3、グループGの全南(チョンナム)ドラゴンズはBGパトゥム・ユナイテッド(タイ)に0-2、そしてグループIの蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)はジョホール・ダルル・タクジム(マレーシア)に1-2で敗れた。

3チーム全敗という結果に、韓国メディアの間では「東南アジアショック」(『STNスポーツ』)や「Kリーグ“惨敗”の日」(『聯合ニュース』)、「衝撃に次ぐ衝撃」(『スターニュース』)といった表現が用いられていた。

では、各チームの指揮官はショッキングな敗戦後、記者会見でどんな言葉を伝えたのだろうか。

3失点完敗の大邱FC

初戦で山東泰山(中国)に7-0の大勝を収めた大邱FCは、前後半通じてセーラーズのスピーディーなカウンターサッカーに苦しめられた。

試合前までは、Kリーグ得点王の受賞経験もある身長198cmの元韓国代表FWキム・シンウク(34)が警戒対象に挙げられていた。

ただ、去る2020年に蔚山現代を率いてACL優勝を果たし、昨年5月からセーラーズの指揮を執るキム・ドフン監督は、キム・シンウクをベンチに据え、韓国から帰化したシンガポール代表MFソン・イニョン(28)、ブラジル人MFディエゴ・ロペス(27)を中心とした縦に速いサッカーで大邱FCを翻弄。

前半20分に先制を許した大邱FCは、後半に攻勢を強めるもことごとくゴールが決まらず、後半26分、35分に相次いで失点。終了間際にはDFホン・チョル(31)が危険なタックルで一発退場になるなど、散々な内容での完敗となった。

(写真提供=AFC)ホン・チョル

ブラジル出身のアレシャンドレ・ガマ監督は試合後、「今日の試合は比較的容易に進められると思っていたが、結果的にそうすることができず残念だ。我々が望んでいたパフォーマンスではなかった」と失望感を表し、「結果を変えることはできないが、今日の試合を教訓とし、次の試合に向けて準備を進める」と言うにとどめた。

(写真提供=大邱FC)アレシャンドレ・ガマ監督

タイ王者に圧倒された全南ドラゴンズ

前年度FAカップ王者として2部チームながらACLを戦う全南(チョンナム)ドラゴンズは、昨季タイリーグ王者であり、手倉森誠監督が率いるパトゥムに圧倒される形となった。

前半こそ両者無得点で折り返したものの、後半6分にパトゥムの先制点を浴び、同17分に追加点を許した。枠内シュートの本数でも、全南が2本に対しパトゥムが7本と、さらに失点を重ねてもおかしくない展開だった。

もっとも、全南は今季2部リーグでも直近4試合未勝利(2分2敗)と苦しんでいるため、ファンにとって到底受け入れられないような敗北というわけでもなかった。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)全南ドラゴンズ(黄色)

全南率いるチョン・ギョンジュン監督は、記者会見で「ゲームコントロールがスムーズではなかった。チャンスの場面でゴールを決められなかったことが今日の結果につながった」と試合を総括。

「結果は残念だがまだ4試合が残っている。早く回復して次の試合で勝利できるよう準備する」と前を向くと、「我々は単なる2部のチームではない。水原FCや浦項スティーラース、蔚山現代、大邱FCなど1部のチームを破り、カップ戦王者の資格でACLに出場している。1~2試合だけですべてを見せることはできない。全南がなぜこの舞台にやってきたのかを証明したい」と、選手にさらなる発奮を促していた。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)チョン・ギョンジュン監督

蔚山現代「勝利できる内容ではなかった」

Kリーグで9戦無敗(7勝2分)を貫き、首位を独走していた蔚山現代は、ACLの舞台で今季初黒星を喫した。その相手はマレーシア王者のジョホールだった。

もっとも、蔚山現代が喫した2失点のいずれも自分たちのミスによるものだった。前半3分の失点シーンでは、MFイ・チョンヨン(33)の自陣での横パスをインターセプトされ、GKチョ・ヒョヌ(30)が一歩も動けないミドルシュートを叩き込まれた。

また、蔚山現代が1点を返し同点に追いついた後半35分には、DFソル・ヨンウが自陣でボールを奪われ、最後はブラジル人FWベルグソン(31)に勝ち越し弾を許した。ベルグソンは過去に水原三星(スウォン・サムスン)ブルーウィングスや釜山(プサン)アイパークに在籍しており、Kリーグに縁ある選手が蔚山現代の息の根を止める形となった。

(写真提供=蔚山現代)イ・チョンヨン

ホン・ミョンボ監督は試合後、「失点シーンすべてがミスによるものだった。今日は我々が勝利できる内容ではなかった」と敗北を認めると、「前半早々に失点し、相手の強いプレスを上手く攻略する必要があったが、そうすることができなかった。後半には戦術面で変化を加え、同点につながったが、再び失点したことで雰囲気が相手に渡ってしまった」と内容を振り返っていた。

(写真提供=蔚山現代)ホン・ミョンボ監督

本日(4月19日)には、Kリーグ勢残りの1チームである全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースが、グループH第2節で横浜F・マリノス(日本)と対戦する。

ただ、全北現代は主力数選手が新型コロナウイルス陽性で不在の状態であり、横浜FM相手に通算1勝3敗と負け越していることから、厳しい戦いが予想されている。

はたして全北現代が唯一白星を挙げられるのか、それともKリーグ勢全敗となってしまうのか。23時キックオフの試合に今から注目したい。

(構成=姜 亨起)

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