韓国Kリーグ1(1部)の大邱(テグ)FCがアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)本戦出場を決めた。しかし、その代価はあまりに大きかった。
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ブラジル人指揮官のアレシャンドレ・ガマ監督率いる大邱FCは、3月15日にホームの大邱フォレストアレーナ(DGB大邱銀行パーク)で行われたACLプレーオフでブリーラム・ユナイテッド(タイ)と対戦。PK戦の末、3-2で勝利を収めた。
これにより、大邱FCは浦和レッズ(日本)、山東泰山(中国)、ライオン・シティ・セーラーズ(シンガポール)と同居するグループFへの進出が決定。グループステージは4月15日から5月1日までタイで行われる。
ブリーラムは容易い相手ではなかった。両チームが120分間で激しい攻防を繰り広げたなか、大邱FCはブリーラムの攻勢に手を焼いた。
特に、延長後半14分にはDFジョ・ジヌ(22)とGKオ・スンフン(33)の間でミスが生じ、相手FWジョナサン・ボリンギ(27)にゴールを許してしまう。
試合はロスタイムに突入し、大邱FCの敗戦が濃厚となったなか、チームの危機的状況を救ったのはブラジル人FWセシーニャ(32)だった。セシーニャは終了直前、ペナルティエリア外からコントロールの効いた右足シュートを放ち、見事にゴール。劇的な同点弾で勝敗をPK戦に持ち越すと、PK戦では守護神のGKオ・スンフン(33)がブリーラム5人目のPKをストップし、大邱FCが勝利をたぐり寄せた。
ほかにも、この日センターバックで先発出場したDFキム・ジンヒョク(28)は、ブラジル人FWエジガル(35)の負傷退場以降は前線に上がり、FWとしてプレー。延長終盤には足をつる場面もあったが、PK戦では2人目でキックを成功させるなど、チームの勝利に貢献した。それほどの大激戦だった。
ただ、勝利を喜んでばかりはいられない。大邱FCは4日後の来る20日、Kリーグ1第6節で水原(スウォン)FCとのアウェーゲームを戦う。それも14時キックオフのデーゲームだ。
チームではセシーニャ、キム・ジンヒョク、MFブルーノ・ラマス(27)、DFチョン・テウク(24)といった主力のほとんどがブリーラム戦で120分間フル出場した。試合から中4日空くとはいえ、死闘を戦い抜いた影響は水原FC戦まで続くものとみられる。選手層がそれほど厚くない大邱FCだからこそなおさらだ。
何より、191cmの長身を誇るエジガルの離脱が大打撃だ。エジガルは先発出場したブリーラム戦で、後半20分にヘディングをした直後、自らピッチに倒れ込んでしまった。その後も起き上がることはできず、結局は担架に運ばれ退場した。
負傷退場したエジガルにはアキレス腱損傷が予想されている。仮に断裂の場合、復帰までは最低6カ月を要する。最近では第5節の城南(ソンナム)FCでシーズン初ゴールを挙げ、同節のMVPに選ばれていただけに、その悔しさは大きい。
エジガルの離脱により、大邱FCは本職センターバックのキム・ジンヒョクをフォワードとして起用する案が有力だ。
ACLグループステージへの進出を決めた一方、主力が離脱を余儀なくされた大邱FC。ガマ監督の悩みは大きくなるしかない。
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