ベント・コリアのカラーにぴったり合う選手は誰だろうか。
韓国代表パウロ・ベント監督は5月27日午前11時、ソウルのサッカー会館で6月のAマッチに臨む韓国代表メンバーを発表した。
“主将”ソン・フンミン(トッテナム)をはじめ、ファン・ウィジョ(ガンバ大阪)、イ・スンウ(ヴェローナ)、クォン・チャンフン(ディジョン)、ファン・インボム(バンクーバー)、イ・ヨン(全北現代)、キム・ジンス(全北現代)、キム・ミンジェ(北京国安)、キム・スンギュ(ヴィッセル神戸)、チョ・ヒョヌ(大邱FC)など、従来の中心選手が多数選出された。
また、ウリ・シュティーリケ前監督の“皇太子”と呼ばれた長身FWイ・ジョンヒョプの名前が挙がり、キム・テファン(蔚山現代)とソン・ジュンホ(全北現代)もベント・コリアに初めて招集された。イ・チョンヨン(ボーフム)、チ・ドンウォン(マインツ)、チョン・ウヨン(アル・サッド)らは除外された。
韓国代表は来る6月3日、坡州サッカー国家代表トレーニングセンター(NFC)に招集される。6月7日にオーストラリアと、6月11日にイランと親善試合を行い、9月から始まる2022年カタールW杯アジア2次予選を準備する。
ベント監督は「すでにワールドカップが始まったU-20代表、来月のワールドカップを控えた女子代表も良い結果が出るように望んでいると伝えて、話を始めたい」と前置きし、「単純な数字は私にとってそれほど重要ではない。数字だけで私を説得しようとするのは難しいだろう。私たちのプレースタイルに、その選手がどれだけ合わせて活躍できるかが最も重要だ。私たちのカラーに合わなければならない」と強調した。
以下は、ベント監督との一問一答。
―イ・ジョンヒョプを抜擢したことが目立つ。
選手の特徴や能力を注意深く観察してきた。以前の代表チームでの競技力を分析し、所属チームで見せたプレーも点検した。この選手は、私たちの代表チームのプレースタイルに十分適応できる資質を持っていると判断した。
―海外組が多数外れた理由は?
イ・チョンヨンは、リーグが終わる前の試合で負傷していることが確認された。休息が必要だと思われる。チ・ドンウォンとチョン・ウヨンはリーグ最終戦まで出場し、シーズンを終えた。チ・ドンウォンは去る3月に膝の痛みで離脱したし、不便な部分があると知っている。新しい所属クラブがコンディションの調整を配慮するほどだ。チョン・ウヨンも足首の痛みがある。あえて無理しないほうがいいと思った。
―ソン・フングミンはチャンピオンズリーグ決勝戦(6月2日)があるので、代表チームへの合流が遅れると思うが。
ソン・フンミンには、前もって連絡した。チャンピオンズリーグ決勝に出場するということは、人生のなかで重要な瞬間になるだろう。最大限に集中し、その結果を問わず楽しんでこいと話した。代表チームについては、時間をおいて考えてもいい。当然そんな日程なので、合流が遅れる可能性が高い。
クォン・チャンフンとイ・スンウも、所属チームのスケジュールが終わっていないので少し遅れることだろう。合流の時期とコンディションをチェックして、最初の試合をうまく進行する。
―親善試合にソン・フンミンを招集する特別な理由があるのか。
自分たちの状況をよく見て、判断しなければならことである。代表監督として、常に最高の選手を呼びたいと思うのは当然のことだ。選手は所属チームのスケジュールに従うが、FIFAのAマッチ期間は代表チームの日程に従わなければならないという運営方針を立てている。選手たち個別の事情もよく考慮しなければならない。現時点では、ソン・フンミンを呼んでもいいという判断になった。
6月は、欧州リーグ所属の選手たちがシーズンを終えた時期であるため、シーズンが長くなる影響を与えるかもしれない。代表チームの特性上、みんなで揃って練習できる機会が少ない。親善試合をうまく活用してこそ、今後の公式戦でもより良い準備ができる。
私が就任してからソン・フンミンが代表に合流しないこともあった。11月の招集もなかったし、アジアカップの準備期間と第1~2戦もいなかった。与えられた条件のなかで、一緒に練習して合わせることが重要だと思って呼んだ。チャンピオンズリーグ決勝をうまく締めくくって、代表チームのスケジュールに集中してほしいと思う。
―キム・テファンとソン・ジュンホを抜擢した理由は?
選手選抜は根気ある観察の結果だ。2人はそれぞれ別のポジションでプレーする選手だ。所属チームでの活躍を土台に、代表チームでどれだけのことができるかチェックしたくて呼んだ。起用するかどうかは、練習を見てから決める予定だ。
―U-20ワールドカップを見て印象に残る選手はいたか。
すでにA代表に1回以上、招集された選手たちもいる。その他、ずっと観察すべき選手と考えている人材もいる。短期的な活躍だけで、今後すぐに抜擢するというよりは、中長期的な計画を立てている。良い活躍を見せる選手がいたとしても、成人の舞台でまた違う問題に直面したとき、どうやって解決していくかという姿を見せることが重要だ。発展過程を見守っている。
―3月のAマッチでは、ペク・スンホを抜擢したが起用しなかった。
ペク・スンホが基本的に持っている能力に対しては確信がある。だが所属チームの1~2軍で着実に出場して活躍することに、難しさを経験した。このポジションは、一部の選手たちが離脱した状況が発生した。新しいプレーヤーを見つける必要があった。唯一の代案ではないが、代案のひとつだったことは確かだ。次のシーズンも、どんな活躍を見せるのかを観察する。
―U-20代表から抜けたチョン・ウヨンを招集することもできた。
A代表に抜擢する必要があると思ったら短期的にそうなることもあるし、検証が必要であれば中長期的に観察する。チョン・ウヨンは今季バイエルンの2軍で主にプレーした。もちろん、チームのメンバーを考えると1軍で定期的にプレーすることは難しいということを知っている。所属チームの問題がなければ、U-20代表に合流していたことも知っている。
今は、今回発表したメンバーで代表チームを運営することができると判断した。チョン・ウヨンは次のシーズンもよく見守って、いつか必要であれば機会が来ると思う。
―Kリーグの得点ランキング、アシストランキングの10位内から選ばれた選手がキム・テファン1人だけだ。
選手を選抜するとき、Kリーグ、Jリーグ、中国スーパーリーグ、イギリスのプレミアリーグ、フランスのリーグ・アンなど、どこのリーグでプレーしているかは重要ではない。私たちのプレースタイルに、その選手がどれだけ合わせて活躍できるかが最も重要だ。私たちのカラーに合わなければならない。単純な数字は、私にはそれほど重要ではない。数字だけで私を説得させることは難しい。
―カタールW杯アジア予選前の最後の親善試合だ。
これまでと大きく変わらない。選手たちがどんな状態で来るかを見て、その後に練習の日程と相手の分析に入る。3月とは別の相手が来るということが明らかな違いだ。特にイランは、監督が交代した。2試合で良い結果を作ることが最大の目標。9月の代表メンバーを発表するまでに、3カ月ほど残った。下手なことを言うことはできない。多くのことが起こると思う。
6月の親善試合で競技力を分析しなければならない。以降、日中韓リーグの選手を分析しなければならない。8月にシーズンが始まる選手たちも、引き続き観察しなければならない。大きな変化をもたらすことは難しいが、代表チームのドアは常に開いている。変化をもたらすことと考えている。
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