蔚山現代と全北現代がアジアの強豪クラブのなかで、Kリーグの自尊心を証明した。
蔚山と全北はアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)グループステージの日程を1試合残しているが、すでに決勝トーナメント進出を決めた状況だ。
蔚山はホームで行われたシドニーFC(オーストラリア)とのグループH第5戦を、ミケル・ディスケルドのヒールキックゴールによって1-0で勝利した。その2時間後、全北は北京国安(中国)とグループG第5戦を行い、キム・シンウクのヘディングで1-0の勝利を収めた。
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両クラブとも、自力で決勝トーナメント進出を早々に確定する成果を上げた。
“グループ1位通過”を早くも決めただけに、価値がある。
蔚山は5試合で1度も負けず、3勝2分・勝ち点11の成績を残した。2位の上海上港(1勝3分1敗・勝ち点6)は残り1試合を勝利しても覆すことができないし、その対戦相手は蔚山だ。
蔚山のいるグループHは“死の組”と呼ばれた。シドニーFC、上海上港、川崎フロンターレは、いずれも昨シーズンの国内リーグで優勝したクラブだ。相対的にシドニーが一枚劣るとの評価もあったが、昨シーズンのACLグループステージで水原三星を下すなど甘い相手ではなかった。
グループ1位通過を決めた蔚山のキム・ドフン監督が、明るく笑う理由だ。「韓国の代表という気持ちで準備したし、各国の優勝チームと自信を持って戦った。団結した力でひとつになった。できるという自信が良い結果につながった。死の組で生き残れて、本当にうれしい」と満足した。
全北も4勝1敗・勝ち点12で、グループGの1位を決めた。2位を争う浦和レッズ、北京国安が2勝1分2敗・勝ち点7にとどまったためだ。全北の最後の対戦相手は、最下位のブリーラム(1勝4敗・勝ち点3)となっている。
対戦するクラブを見ると、全北も余裕があったわけではなかった。北京は中国スーパーリーグで行った8試合に全勝し、リーグ1位を走っている。17得点、2失点という攻守両面で圧倒的な競争力を誇っている。浦和のオズワルド・オリヴェイラ監督は、以前にもJリーグで監督を務めており、韓国クラブを相手にした経験も豊富だった。
蔚山と全北は今シーズン、Kリーグでも「二強体制」を構築している。
Kリーグ1位の全北(6勝3分1敗・勝ち点21)は、過去5年間で4度優勝した伝統の強豪クラブだ。オフシーズンに戦力を大幅に補強した2位の蔚山(6勝2分2敗・勝ち点20)は、その対抗馬とされている。
両クラブの優勝争いの構図は、ACLにもつながった。蔚山と全北が並んでグループ1位を決めながら、両クラブが16強で対戦する可能性は消えた。決勝トーナメントで蔚山はグループGの2位と、全北はグループHの2位と対戦する。
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