フランス2部リーグ・ドゥのトロワに所属する元韓国代表FWソク・ヒョンジュン(29)は、現地で国籍を喪失した場合、韓国に帰国しても兵役義務を履行することができない。
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兵務庁は6月1日、保守政党「国民の力」イ・チェイク議員の質問に対し上記のように明らかにすると、「外国国籍を取得する場合、国籍法第15条に基づき大韓民国国籍を喪失し、外国人となるため、兵役義務が消失する」と付け加えた。
これに対し、イ議員は「ソク・ヒョンジュンがサッカーを諦めきれなかったため兵役義務を履行できなかったと主張するのは、60万の国軍将兵を凌辱する処置だ」とし、「第2のユ・スンジュンになりかねない」と痛烈に批判した。
兵役義務対象者であるソク・ヒョンジュンは、国外旅行許可を受けた後、本来であれば満28歳の2020年4月1日以前まで韓国に帰国しなければならなかった。
ところが、ソク・ヒョンジュンは帰国せずに欧州でのプレーを続行。これにより、韓国の兵役法94条(国外旅行許可義務)違反の疑いで兵務庁から刑事告発された。現在は本人が国外に滞在中であることから起訴中止の状態だが、兵務庁はソク・ヒョンジュンのパスポートの無効化措置を完了している。
また、現地メディアによると、ソク・ヒョンジュンがフランス国籍取得の準備を進めているとも伝えられている。
なお、ソク・ヒョンジュン側の関係者は「クラブの要求に従いフランス市民権を取得しても、あとで韓国で兵役義務と法的責任を負う」と、“兵役逃れ”の意思がないことを主張している。
ちなみに、イ議員が言及した“ユ・スンジュン”とは1990年代に韓国で絶大な人気を誇ったK-POPスターのことで、これまで数多くのヒット曲を生み出してきたダンス歌手だ。
そのユ・スンジュンは2002年1月に韓国籍を放棄し、アメリカの市民権を取得。これによって兵役逃れの疑惑が浮上し、関連当局は彼の韓国入国を制限した。
ユ・スンジュンは2015年から韓国の裁判所に在外同胞ビザでの入国許可を要請し、2020年3月に勝訴した。だが、韓国外交部は「大韓民国の安全保障と秩序維持、公共福利を阻害する可能性がある」という“在外同胞法”を根拠に、同年7月にユ・スンジュンのビザ発給を拒否している。
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