あまりに厳しい船出となった。史上最悪のシーズンとも評される2017年の悪夢が再現されるかもしれない。
2020シーズンのアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)が開幕してからというもの、Kリーグ勢が序盤から苦戦を強いられている。
今シーズンは昨年度Kリーグ王者の全北現代モータース、2位の蔚山現代FC、3位のFCソウル、そしてFAカップで優勝した水原三星ブルーウィングス(リーグ4位)が出場しているが、ここまで4チーム合計6試合を戦い、わずか1勝しか挙げられていない(1勝2分3敗)。
結果のみならず、試合内容においても相手を圧倒した試合を見つけるのは難しい。FCソウルが第1節でメルボルン・ヴィクトリー(オーストラリア)に勝利した以外は、どのチームも勝ち点獲得に苦労している。
不安なスタートを切っているのを見るに、Kリーグ勢が過去最大級の不振を見せた2017シーズンが思い返される。
2017シーズン、KリーグからはFCソウル、蔚山現代、済州ユナイテッドFC、水原三星がACLに参戦した。前年度に10年ぶりのACL王者となった全北現代は、審判買収問題によって2017シーズンの本選出場資格をはく奪されていた。
グループステージが開幕し、第1節終了時点でKリーグ勢の成績は1分3敗だった。水原三星が辛くも勝ち点1獲得に成功し、残る3チームはすべて敗北を喫する最悪なスタートとなった。
第2節では済州ユナイテッドと蔚山現代が初勝利を挙げ、ここから気勢を上げるかのように見えた。しかし、結局2017シーズンのACLでベスト16に進出したのは済州ユナイテッドだけにとどまった。その済州ユナイテッドもベスト8進出には失敗し、Kリーグのプライドを大きく傷つける結果となった。
Kリーグ勢がベスト8前で全滅したのは、2009シーズン以来8年ぶりのことだった。
2020シーズンも、Kリーグ勢は序盤から早くもピンチを迎えている。新型コロナウイルス感染症の影響による国内リーグの開幕延期が、今後の戦いに大きく響くことになりそうだ。
とはいえ、シーズン序盤からここまでKリーグ勢が力を発揮できないのは予想外だ。
国内リーグ3連覇を達成した全北現代は、アジア全体でも競合の部類に入ることは間違いない。だが、グループステージ2試合を戦ってどちらの試合も退場者を出し、2試合で合計4失点を喫しているのはあまりにふがいない。
水原三星の戦いぶりにも失望せざるを得ない。
特にグループステージ第2節、アウェーとはいえ、マレーシアのチームであるジョホール・ダルル・タクジムに勝ち点1すら得られなかったのは、ファンも予想できなかったことだろう。
ACLも、新型コロナの余波を受け3~4月の日程を大幅に延期した。ACLを戦うKリーグ勢にとって、5~6月は強行日程をこなすことになりそうだ。
グループステージ序盤で貴重な勝ち点を逸したことが、後々大きな負担となる可能性は高い。
ACLを戦うKリーグ勢が、この先どのような戦いぶりを見せてくれるのか、注目が集まる。
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