“模範的兵役生活”に泥を塗る致命的汚点だ。韓国を代表するワールドスター、BTSのSUGA(31、本名ミン・ユンギ)の飲酒運転問題が物議を醸している。
韓国国内ではただでさえ、トロット歌手キム・ホジュン(32)が起こした飲酒ひき逃げ事故によって、飲酒運転に対する警戒心が高まっていた。
そんななか、今や“財閥”の仲間入りも果たした所属事務所HYBEの立場文でさえ、事件を矮小化しようとするような単語を選択し、人々の怒りを買っている。
現在、兵役のため社会服務要員として代替服務中のSUGAは、8月7日に道路交通法違反(飲酒運転)の疑いで立件された。
SUGAは前日の6日23時頃、泥酔状態で電動スクーターを運転して帰宅する途中、ソウル龍山区・漢南洞(ヨンサング・ハンナムドン)の路上で倒れた。そして、周辺をパトロールしていた警察が彼を発見した。
倒れたSUGAから酒の匂いを感じた警察が飲酒測定をした結果、血中アルコール濃度が“免許停止レベル”に相当する0.08%以上であることがわかった。結局、SUGAは罰金と免許取り消しの処分を受けた。
これに対し、HYBEとSUGAは「皆さんを失望させることになり、非常に重くて申し訳ない気持ち」と素早く謝罪文を発表した。
だが、警察がSUGAの運転した乗り物が「電動スクーター」だと明らかにしたこととは異なり、HYBEとSUGAは「電動キックボードを利用した」と明らかにしたことで、「事件を矮小化しようとしたのではないか」という指摘が出てきた。
弱り目に祟り目で、7日夜に放送されたJTBCの報道番組『ニュースルーム』で公開された事故現場の監視カメラ映像で、SUGAが実際に使用した乗り物の正体が明らかに。見た目はキックボードと大差ないようだったが、運転者が座ることのできるサドルが追加されたモデルであることがわかった。
韓国の自動車管理法によると、電動キックボードと電動スクーターはいずれも「原動機付き自転車」に分類され、道路交通法上の「車」に該当する。そのため、例えどちらであっても飲酒状態で運転すれば、刑事処罰を受ける。
ただし、電動キックボードなどの「個人型移動装置」は、飲酒運転摘発時の罰則条項の対象から除外される。
一方、電動スクーターで飲酒運転をした場合、反則金とは別に、1年以上2年以下の懲役や500万ウォン(日本円=約53万円)以上1000万ウォン(約106万円)以下の罰金刑に処されることがある。
今回の事件をめぐるARMY(BTSのファンネーム)の反応はさまざまだ。
一部の海外ファンの間では「過ちを犯すこともある」とSUGAを擁護する声もあるが、別のファンは「所属事務所が虚偽の釈明をしたのではないか」「待っているARMYを失望させた」など怒りの声を伝えている。
SUGAに激怒した一部の大衆は、オンライン民願処理システム「国民申聞鼓」を通じて兵務庁に「警告処分(5日延長服務)」の嘆願を提起した。
これに対し兵務庁は、「社会服務要員は勤務時間中に起きたことに対してのみ適用を受けるので、今回の事件と関連してSUGAに対して特別な処分が下されることはないだろう」と見解を伝えた。
SUGAの飲酒運転事件は、優れた軍生活で人々の模範となっていたBTSの名声に汚点を残したという点で残念だ。
これまで、BTSのメンバーたちは“特級戦士”に選ばれて早期進級したり、新兵教育修了式で最優秀表彰を受けたりするなど、模範的な軍生活で軍の内外で良い手本となってきた。
今回の一件は海外メディアも大々的に報じた。
アメリカメディア『ニューヨーク・タイムズ』は、「SUGAが酒に酔った状態でスクーターに乗り、帰宅する途中、運転免許が取り消され罰金刑を受けた」と詳しく伝えた。
イギリス国営放送『BBC』は、SUGAが過去の肩の負傷の影響で代替服務中である状況とともに、「いかなる懲戒も受け入れる準備ができている」という謝罪文を紹介した。
とあるK-POP界関係者は、「芸能界で飲酒運転に対する警戒心が必要な時点で、いわゆる“ワールドスター”の安易な態度によって、失望感が大きくなったように見える」とし、「あまりにも優秀な軍服務をしてきたBTSであるため、ダメージがさらに大きい」と伝えた。
◇SUGA プロフィール
1993年3月9日生まれ。本名ミン・ユンギ。2010年に所属事務所Big Hitエンターテインメント(現HYBE)が開催した「HIT IT AUDITION」で2位合格し、練習生に。2013年にBTSのメンバーとしてデビューした。グループ内ではリードラッパーを担当しており、BTSの一員として活躍する傍らで、高い作詞・作曲・編曲の実力をもって音楽プロデューサーとしても人気を集めている。
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