地方自治体からタイトル変更要請を受けた韓国のホラー映画『雉岳山』(原題)が、不可能という立場を示した。
8月24日、本サイトが提携する韓国メディア『OSEN』が取材した結果、9月13日に劇場公開を控える『雉岳山』のタイトルは変更されないことが確認された。同日、本作の舞台となっている江原道・原州市(カンウォンド・ウォンジュシ)は、映画会社にタイトル変更および内容の編集を強く抗議している。
『雉岳山』は、実在する韓国の雉岳山(チアクサン)にまつわる怪談を扱ったホラー作品で、山岳バイクサークルの会員たちが、30年前に謎の死体の一部が発見された雉岳山の山小屋を訪ねたことで起きる事件を描いている。俳優ユン・ギュンサン、キム・イェウォン、ヨン・ジェウク、ペ・グリン、イ・テファンなどが出演する。
本作について原州市は、映画がバラバラ殺人を扱ったことにより、雉岳山国立公園にネガティブなイメージが形成されるのではないかという懸念を制作会社に伝えたという。原州市がこのような強い対応に乗り出した背景には、本作が「18ぶつ切り連続殺人」という都市伝説を含んでいるためだ。
この話は、1980年、雉岳山で18個にぶつ切りにされた10の遺体が数日おきに発見されたが、公にされず、秘密裏に捜査が行われたというもの。
ただ、この話はインターネット上に出回った都市伝説、怪談の類に過ぎず、警察は事実ではないし、そのような記録はないとしている。そのため、映画によって大衆に先入観が生じたり、市のイメージを損なったりする恐れがあるということは、過度な憂慮だという反応もある。
製作会社は直接、原州市の関係者たちと会い、映画のストーリーは同地域と何の関係もないということを再度強調するとともに、オープニングに「事実ではない虚構」という文言を普通の作品よりも大きく挿入するとし、市のイメージを絶対に毀損しないと伝えた。
『OSEN』の報道以降、制作会社は報道資料を通じて「不本意ながら、原州市と地域住民に不快感を及ぼした点は残念に思う」とし、「映画のタイトル変更と『雉岳山』に言及する部分を全て削除すれば、映画を最初から撮影しなければならないほど話の繋がらなくなる。俳優の一人が軍服務中の関係で再撮影もやはり不可だ」という立場を示した。
それとともに「『雉岳山』製作会社は今回の問題において、原州市と地域住民の方々に最大限被害が及ばないよう心血を注いでいる」とし、「決して被害が出ないよう、最善を尽くすことを約束する」と強調した。
15歳以上が観覧可の『雉岳山』は、韓国で9月13日より公開。
(記事提供=OSEN)
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