【独自】“奇跡”のK-POPグループと事務所の訴訟戦、メンバー側の訴訟理由が無に帰すかもしれない理由

2023年07月10日 話題 #FIFTY FIFTY

所属事務所ATTRAKTに専属契約の仮処分訴訟を提起したFIFTY FIFTYの訴訟理由が無意味になるかもしれない。

【写真】“奇跡”のガールズグループ、FIFTY FIFTYとは?

7月5日、K-POPガールズグループFIFTY FIFTYメンバー4人の法定代理人は、ソウル中央地裁で開かれた専属契約の効力停止仮処分申請に関する初公判後、このような疑問を提起した。

その内容は、所属事務所ATTRAKTのチョン・ホンジュン代表が、音源流通会社インターパークミュージックから、個人会社のスタークルーENTに90億ウォン(約9億円)の流通に関する金銭の前払い契約を結んだことに対するものだ。

当時、弁護人側は90億ウォンのうち60億ウォンをFIFTY FIFTYのCDの投資金に使い、音源収入はスタークルーENTから支給されたと主張。「なぜとんでもない会社(スタークルーENT)と契約を締結するのか。本来であればインターパークとATTRAKTの間に90億ウォンの前払金流通契約が締結されるべきだった」とし、「債務を負担するのはスタークルーENTなのに、FIFTY FIFTYが返済する構造となっている」と話した。

しかし、これは韓国芸能界の前払い投資契約のプロセスを全く知らない人たちの代表的な誤解だという。

キモとなる中事務所の“資金集め”

ここで言及されたスタークルーENTとは、ATTRAKTのチョン・ホンジュン代表が2020年に設立した個人会社だ。

(写真提供=OSEN)FIFTY FIFTY

約90億ウォンの前払い契約を主導したインターパークミュージックの関係者は7月9日、本紙『スポーツソウル』の取材に応じ、「当時、前払い契約を結んだ理由は、スタークルーENT所属だった(元Wanna One)ハ・ソンウンの成功事例や、チョン・ホンジュン代表の経歴と能力、推進力などが最も功を奏した」とし、「インターパークミュージックは、スタークルーENTがガールズグループを製作する意志があると確認した状態だった。FIFTY FIFTYというグループ名は決まっておらず、The Giversのアン・ソンイル代表も合流前だった」と説明した。

CDに関する前払い契約は、中小企画会社が歌手をプロデュースする際に用いる資金調達方法の一つだ。レコード会社に音源やCDの発売を約束することで、あらかじめ資金を受け取り、制作費として投資する方法としてポピュラーなものなのだ。

大多数の中小企画会社は、資金調達のために前払い投資を受けたりもする。前払いされた金銭はアーティストのアルバム製作および会社運営費として使われる。よって前払金とアーティスト精算は関係ない。

アーティストの売上が予想外に高いのに、依然として前払金を返済しなければならない状況であれば、企画会社は他の方法で現金を調達し、アーティストに精算金を支払わなければならない。

先の関係者は「スタークルーENTに投資した90億ウォンのうち、一部がFIFTY FIFTYのために使用されたと理解している」とし、「当時、スタークルーENTはFIFTY FIFTYのデビューが近づいた時点でATTRAKTという法人を新しく作った。既存のスタークルーENTの契約をATTRAKTに譲渡する案も考えたが、90億ウォンの投資金全額はFIFTY FIFTYのためではない。ハ・ソンウンをはじめとする他のアーティストのための投資金でもあるため、ATTRAKTへの譲渡案が保留された」と説明している。

そのため、FIFTY FIFTYメンバーの法律代理人が、ATTRAKT名義で前払い契約を結ばなければならないという主張自体の辻褄が合わないこととなる。大手ではない中小企画会社の場合、デビューもしていないガールズグループに音源流通会社が数十億ウォンを投資する事例は極めて珍しい。音楽業界によると、ATTRAKTはFIFTY FIFTYのデビュー前に投資した金額だけでも50億ウォンに達したという。

大ヒット曲の清算が未だゼロのワケ

このうちの大部分の金額は、『スポーツソウル』が単独で報じたように、チョン・ホンジュン代表とATTRAKT関係者たちが車や時計、老母の9000万ウォン(約900万円)などをかき集めた“私費”だ。

ある関係者は「チョン代表は今後FIFTY FIFTYが成功した際、会社の債務が少ないこと方が投資を受けやすいと判断し、私費を用いた」とし、「メンバーが訴状で主張したように、過度な前払金投資で精算されなかったというのは話にならない」と批判。また別の関係者も「企業の運営資金の出所に、アーティストが関与する事例は今まで見られなかった」と舌を巻いた。

(写真提供=ATTRAKT)FIFTY FIFTY

インターパークミュージック関係者は「音源の場合、発売日から(韓国)国内は3カ月、海外は4カ月周期で企画会社に精算データが提供される」とし、「メンバーが昨年12月から今年4月までアルバム・音源の収益が0だと言っていたが、2月にリリースした『Cupid』は海外でより注目されたため、前払金とは別にすぐに精算を受けることは難しい」と指摘した。

昨年11月にデビューしたFIFTY FIFTYは、『Cupid』が米ビルボードの「ホット100」に14週連続チャートインするなど“中小事務所の奇跡”として注目を集めたが、メンバーが所属するATTRAKTを相手に訴訟を起こしたことで内紛が勃発した。対するATTRAKTは『Cupid』を共同製作した外注業者The Giversを告訴するなど、溝が深まった状態だ。

「母親が集めたお金も制作費に…」FIFTY FIFTYに訴えられた所属事務所代表、心境明かす

“弱小事務所”なのにBLACKPINKやTWICEを超えたFIFTY FIFTY、成功の秘訣とは

すべてが無に帰す可能性も…“FIFTY FIFTY問題”の余波、たった1つのヒット曲で散ってしまうのか

前へ

1 / 1

次へ

RELATION関連記事

RANKINGアクセスランキング

PHOTO写真

TOPIC「BTS」特集