『不滅の恋人』の王子2人は歴史的にどんな人物だったのか

NHKの総合テレビで日曜日の午後11時から放送されている『不滅の恋人』。このドラマでは2人の王子が激しく対立する。

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歴史的に言うと、イ・ガンは首陽大君(スヤンデグン)のことであり、イ・フィは安平大君(アンピョンデグン)のことだ。

2人とも、朝鮮王朝最高の名君と称された4代王・世宗(セジョン)の息子で、二男が首陽大君、三男が安平大君だ。

世宗の王位を継いだのは長男の文宗(ムンジョン)だ。彼は1450年に即位した。

しかし、文宗は即位して2年あまりで世を去った。残された長男が6代王・端宗(タンジョン)として即位するが、11歳だったので王位は決して安泰ではなかった。特に首陽大君は不満だった。しかし、文宗の側近たちは反対勢力を力づくで抑えようとした。幼く力のない端宗はそうした争いをただ見ていることしかできなかった。

王宮の内部で対立が激しくなっていった。そして、さらに対立をあおったのが首陽大君だった。彼は文宗の側近だった金宗瑞(キム・ジョンソ)の失脚を画策した。

一方、なんとしても端宗を守りたい金宗瑞が頼りにしたのが安平大君だった。首陽大君と安平大君の性格はまさに正反対だった。

首陽大君は武芸を好む武闘派だ。反対に、安平大君は学問を好む芸術派だった。

実際、安平大君は兄の首陽大君に批判的で、端宗の王位を守る決意を固めた。こうして王族内では、首陽大君派と安平大君派の二大勢力ができてしまった。

しかし、高名な学者や大臣たちを取りこんでいた安平大君に世論は味方していく。巻き返しを狙った首陽大君は強気の逆襲に出た。1453年にクーデターを起こしたのだ。

そのときに金宗瑞を殺害した。クーデターを成功させた首陽大君は、朝鮮王朝で最大の実力者になった。

一方の安平大君は首陽大君によって死罪にされてしまった。王位をめぐる骨肉の争いは結局、首陽大君が勝った。

彼は端宗を強制的に退位させて、1455年に自ら7代王の世祖(セジョ)として即位した。

(文=康 熙奉/カン・ヒボン)

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