元歌手ソ・ドンウクさんがこの世去って1年が経過した。
ソ・ドンウクさんは12月18日、持病のためこの世を去った。享年50歳。
1974年4月1日生まれのソ・ドンウクさんは、延世(ヨンセ)大学時代の同窓生であるシンガーソングライターのキム・ドンリュルと1993年に男性デュオ「展覧会」を結成。同年のMBC大学歌謡祭で『夢の中で』で大賞を受賞し、翌1994年に1stアルバム『EXHIBITION』で正式デビューを果たした。
キム・ドンリュルは12月18日、自身のSNSに「『初恋』は展覧会誕生の決定的なきっかけになった曲だ」とつづり、ソ・ドンウクさんと過ごした時間を振り返った。
キム・ドンリュルは「高校時代に作ったデモテープに収録されていた『初恋』を、友人の友人を通じて聴いたドンウクが、僕に長文の感想文を送ってくれた。それをきっかけに僕たちは友だちになり、自然な流れで意気投合し、チームを組んで音楽をやってみようということになった」と、2人が音楽を始めた経緯を明かした。
また最近のコンサートでは、『初恋』を歌うことが最大の難関だったとも打ち明けている。「どうにかして7回目の公演まで、最善を尽くして歌を終えたかった。『記憶の習作』という1曲を聴くために来てくださった観客の方もいるかもしれないと思った」と当時を回想した。
公演当日、ソ・ドンウクさんの記憶がよみがえり、最後まで歌い切れなかったというキム・ドンリュル。「代わりに、僕が歌い切れなかったパートを観客のみなさんが静かに埋めてくれた。本当に感謝している」とも語っている。さらに「100%プロらしくはなかったかもしれないが、そのおかげで僕はようやくドンウクを送り出せた気がする。もしかすると、僕にとって必ず必要な過程だったのではないかと、あとになって思った」と胸の内を明かし、「そしてこれは僕だけでなく、ドンウクを愛した人たち、展覧会を愛した人たち、あの場に一緒にいたみなさんも、似たように感じたのではないかと思う」と付け加えた。
最後に「今もとても会いたいし、今もとてもつらいけれど、それでも長い間、展覧会の楽曲を歌っていきたい。時には笑って、どうしようもない時には泣きながら」として、「改めて、一緒に泣いてくれて、歌ってくれたみなさんに感謝する」とあいさつした。
キム・ドンリュルは11月に行われたコンサート「散歩」のアンコールステージで、「愛する僕の友ドンウクを送りながら」という文言が入った写真を背景に、展覧会の『初恋』と『記憶の習作』を歌い、約7万人の観客の前で“相棒”への追悼の気持ちを伝えていた。
なお、「展覧会」解散後、メンバーのキム・ドンリュルは歌手イ・ジョクと共にグループ「カーニバル」を結成し、歌手生活を続けた。
一方のソ・ドンウクさんは芸能界から退き、サラリーマンとしての道を歩み始めた。マッキンゼー・アンド・カンパニー、斗山(トゥサン)グループ、アルバレス・アンド・マーサルなどでキャリアを積み、2015年からはモルガン・スタンレー・プライベート・エクイティで勤務。最終的には同社の副代表を務めた。
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