アカデミー賞韓国代表作品『別れる決心』に出演する女性芸人とは?キャスティング秘話も

2023年01月20日 映画 #韓国映画

映画を釜山でのシーンを1部、へジュンがイポに移ってからを2部に分けるとしたら、釜山での後輩役は、「へジュンとは相反する面があるが、とても似ている面もあるキャラクター」にしたかったとパク監督は語っており、その説得力を持たせることのできる人物をキャスティングしたという。

釜山での後輩刑事のスワンは、へジュンとは仲がいいからこそ彼に文句や皮肉を言ったりするキャラクターだが、基本的には先輩をロールモデルと思っている。そして、身長も高くて外見も少し似ている部分があるが、性格は異なる俳優を、と現在Disney+で独占配信中の『コネクト』で連続殺人犯オ・ジンソプを演じ、⽇本でもブレイク寸前のコ・ギョンピョが起用された。

(© 2022 CJ ENM Co., Ltd., MOHO FILM. ALL RIGHTS RESERVED)コ・ギョンピョ

そして、キム・シニョンが起用されたイポでの後輩刑事・ヨンスは、最初は「あの女が犯人だ」と主張し、最後には「あの女ではない」と主張し、ヘジュンと衝突する、相反する鏡のような存在だ。そのため、へジュンとはすべての面で反対の人物にしたかったといい、身長が低くて女性のキャラクターにしようと考えたと明かしている。釜山のスワンとイポのヨンスも、へジュンを尊敬しているがソレのことで見解の差ができてしまい、だんだん先輩に食って掛かるようになるという点では、正反対ながらもどこか似ているキャラクターだ。

彼女の起用について、パク・ヘイルは「監督から聞かされた時、『監督の素晴らしい戦略だ!』と膝を打ちました」と語り、さらに「コメディアンであるキム・シニョンさんは、舞台で長時間にわたって観客を楽しませる俳優でもあるので、演技に対する⼼配は全くありませんでした。そして、現場ではとても真剣な姿で演技に挑む姿をみせてくれて、とても魅力を感じましたし、個人的にも現場でとても多く助けてもらっていた記憶があります」と振り返り、現場での彼女についても語っている。

映画デビューの本作でいきなり女優助演賞受賞の快挙!

『別れる決⼼』へのキム・シニョンの出演は、韓国ではサプライズとして明かされたが、その意外なキャスティングと初めての映画出演とは思えないほどの堂に入ったどこか愛くるしい個性的な演技に大きな話題を集めた。

そして、昨年12⽉に発表された第9回韓国映画制作家協会賞で、映画デビュー作である本作でいきなり女優助演賞を受賞。コメディアンとして長年培ってきた瞬発力や表現力が大いに発揮された結果の受賞となった。

韓国国内の映画賞を軒並み受賞している『別れる決⼼』だが、青龍映画賞の授賞式では彼女がパク監督の代理で監督賞を受賞。授賞式のスピーチでは、「偏見と先入観と戦うことが何よりも大変だと思います。私自身、“コメディアンが映画?”と思ったのですが、私よりも先に偏見を打ち破り、人々の先入観の前に盾のようにして立ってくださったパク・チャヌク監督に感謝します」と感謝の気持ちを語った。

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