「有名芸人が出演する“モッパン(食事動画)”で店を宣伝してあげる」。
このような甘言で韓国全土の自営業者から総額3億ウォン(約3000万円)超を騙し取った40代ユーチューバーに対し、実刑判決が下された。
韓国の法曹界によると、済州(チェジュ)地方裁判所・刑事4単独のチョン・ソンジュン判事は7月30日、詐欺の罪で起訴された40代のユーチューバーA被告に対し、懲役4年6カ月を言い渡したという。
A被告は2021年9月から2023年8月にかけて、済州や大邱(テグ)、仁川(インチョン)などで飲食店やカフェを経営する自営業者約100人に対し、「有名芸人が出演するユーチューブのモッパン動画で店を宣伝してあげる」と持ちかけ、約3億5100万ウォン(約3500万円)を受け取っていたとされる。被害者1人あたりの被害額は200万ウォンから最大4000万ウォン(約20万~400万円)にのぼるという。
A被告は「地上波テレビ局の公開オーディション出身の芸人が出演する」と嘘をつき、信頼を得ようとしたという。実際、有名芸人が出演する動画もチャンネルにアップされていた。
さらに、「宣伝効果が出なくても、毎月10万ウォン(約1万円)の広告収益と配達アプリ利用料を補助する」とまで話し、被害者たちの信頼を集めていた。
しかし、捜査の結果、A被告にはYouTubeコンテンツを制作する能力すらなく、数千万ウォン(数百万円)の借金を抱えていたことが判明した。
チョン判事は「多数の被害者に対して繰り返し行われた詐欺事件で、犯行の悪質性は軽視できない」「大半の被害者と示談に至っておらず、被害の回復もされていない」と指摘した一方で、「被告が自らの罪を認めて反省している点、一部被害者とは示談が成立している点などを考慮した」と量刑理由を説明した。
なお、検察・被告の双方が「判決が重すぎる(あるいは軽すぎる)」として一審判決を不服とし、控訴したという。
(記事提供=OSEN)
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