女優キム・セロンさんの突然の訃報に多くの人々が衝撃を受けているなか、最近まで彼女と連絡を取っていた知人が心境を語った。
知人のA氏はキム・セロンさんの訃報から一夜明けた2月17日、本紙『スポーツソウル』の電話取材に応じ、「キム・セロンとは時々連絡を取っていた。去年の12月にも会ったが、その時はまだ明るかった」と彼女の様子を振り返った。また、経済的な困難はあったものの、それほど深刻に悩んでいる様子ではなかったとも明かした。
「生活に苦しんでいたのは事実だが、まだ若かったからか、お金のことでひどく苦しんでいる感じではなかった。違約金の問題もあったが、それほど気にしている様子はなかった」
キム・セロンさんは 2022年5月、ソウル・江南(カンナム)の道路で飲酒運転事故を起こし、変圧器に衝突。これにより、周辺のビルや店舗が停電し、大きな批判を浴びた。この事故の影響で、裁判では罰金2000万ウォン(約220万円) の判決を受け、芸能活動を事実上休止することに。さらに、当時所属していた芸能事務所ゴールドメダリストとの契約も解消し、違約金として数億ウォン(数千万円)の負債を抱えることになった。
経済的な負担が増す中、カフェのアルバイトや演技指導の仕事などをしながら生活費と違約金の返済に奔走していた。また、精神的な負担も大きく、うつ病の治療を受けながら復帰を模索していたという。
ソウル・城東(ソンドン)警察署によると、キム・セロンさんは16日、ソウル市城東区の自宅で亡くなっているのが発見された。彼女と事前に会う約束をしていた友人が自宅を訪れたところ、倒れているのを発見し、警察に通報したという。
警察関係者は「現在までの調査では、外部からの侵入や犯罪の痕跡は確認されていない。死亡の経緯については引き続き捜査を進めている」と発表した。
2000年生まれのキム・セロンさんは2009年の映画『冬の小鳥』でデビュー し、天才子役として注目を浴びた。そして2010年にはウォン・ビン主演の映画『アジョシ』 でヒロインを演じ、女優としての地位を確立。その後もドラマ『女王の教室』(13)、『魔女宝鑑 ~ホジュン、若き日の恋~』(16)など数々の話題作に出演し、将来を有望視されていた。
しかし、2022年の飲酒運転事故をきっかけに芸能活動を中断。その後、苦しい生活を送りながらも復帰を目指していた矢先の悲報に、多くのファンや関係者が衝撃を受けている。
24歳というあまりにも若すぎる死に、韓国国内では「悲しすぎる」「まだ未来があったのに」「彼女が抱えていた苦しみを誰かがもっと支えられていたら…」といった声が相次いでいる。
【相談窓口】
一般社団法人日本いのちの電話連盟(電話、メール相談可能)
TEL:0570-783-556=ナビダイヤル 午前10時から午後10時まで
◇キム・セロン プロフィール
2000年7月31日生まれ。9歳から子役として活動を始め、スクリーンデビューとなった2009年公開の主演映画『冬の小鳥』では孤児院に捨てられた少女を熱演。カンヌ国際映画祭に韓国の役者史上最年少で招待された。2010年の『アジョシ』ではウォンビンと共演し、大韓民国映画大賞新人女優賞を最年少で受賞。2019年に韓国で放送されたドラマ『レバレッジ:詐欺操作団』では、凄腕の女泥棒役を見事に演じて魅力的な姿を披露した。2022年5月18日に免許取り消しレベルの泥酔状態で運転して事故を起こし、活動を自粛。2025年2月16日、24歳でこの世を去った。
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