”職場内いじめ”を訴えてこの世を去った韓国テレビ局の女性気象キャスターをめぐって、局が「重大災害処罰法違反の疑い」で追加告発された。
2月3日、情報提供者A氏は「MBCに勤めていたオ・ヨアンナ気象キャスターが、職場内いじめ被害を受けても適切な保護措置を受けられないまま、“極端な選択”をした事件が発生した」とし、「MBC経営陣が“重大災害処罰法”上の安全・保健確保義務を果たしたか否かに対する徹底した調査が必要だ」とし、地上波テレビ局MBCを重大災害処罰法違反の疑いで告発する措置を執った経緯を説明した。
これに先立ち、オ・ヨアンナさんの遺族は去る1月31日に韓国で放送されたJTBCの報道番組『事件班長』(原題)を通じて、「故人がこの世を去る数日前に2回も“危険な峠”を越え、結局、2024年9月15日にこの世を去った」とし、「同僚の気象キャスターから約2年間、暴言を受け続け、不当な指示で苦痛を受けた。故人は友人たちにも“職場生活がとても大変で、この世からいなくなりたい”と吐露し、精神科約10院に通って薬を処方された」と暴露した経緯がある。
A氏は「故人はこの世を去る前、社内の関係者4人に被害を訴えたが、適切な保護措置はなされなかった」とし、「また、MBCの公式申告手続きが実質的に作動しなかった情況が確認され、事件発生後にも訃報を掲示しないなど、対応過程で議論が提起されている」と指摘した。
続けて、「本事案は単純な職場内いじめを越え、経営責任者の安全・保健確保義務違反の可能性がある事案であり、“重大災害処罰法”の適用可否に対する徹底した法的検討と捜査が必要だ」と経緯を明らかにした。
現在、オ・ヨアンナさんの事件をめぐってはさまざまな告発措置がなされている。そのため、事件は併合して捜査されるものと見られる。
核心となる争点は、「MBC経営陣が職場内いじめを認知しても保護措置を取らなかったか否か」「故人の極端な選択と業務環境の間に因果関係があるのか」「事件後、MBCが公式な訃報を掲示しないなど事件を縮小・隠蔽しようとする情況があったか否か」「MBC社長が“重大災害処罰法”上の経営責任者として法的責任を負わなければならないか否か」「“重大災害処罰法”に伴う“再発防止対策樹立及び履行”義務をまっとうしたか否か」などだ。加えて、従事者の意見を聴取し、これを反映する手続きを経ることになるだろう。
遺族はオ・ヨアンナさんがMBCで約2年間、職場内いじめに苦しんだと主張し、加害者と名指しされた同僚の気象キャスター2人を相手に民事訴訟を提起した状態だ。
MBCは去る1月31日、公式声明を通じて「オ・ヨアンナがこの世を去った原因と真実を糾明するため、外部専門家を委員長とする真相調査委員会を構成することにした」とし、「公正で客観的な調査のため、真相調査委員会には法律家など複数の外部専門家が参加することになった。社内人事の苦衷関連組織の部署長らも実務委員として参加し、正確な調査を後押しすることにした」と伝えている。
◇オ・ヨアンナさん プロフィール
1996年4月30日生まれ。韓国・光州出身。ソウル芸術大学の文芸創作科を卒業。一時はアイドル練習生を目指し、2017年に行われたJYPエンターテインメントの練習生13期公開オーディションに参加。「Hermoso Beauty賞」を受賞し、副賞として3カ月の受講券を受け取った。同オーディションの同期にNiziUのマコ、Stray Kidsのスンミン、元FANATICSのユンヘなど。以降、2019年5月に行われた韓国の伝統美人を選抜する「全国春香(チュニャン)選抜大会」で「スク」に選出。2021年、地上波テレビ局MBCの気象キャスター公開採用に合格し、同局で活動を続けた。しかし2024年9月15日、28歳でこの世を去った。
前へ
次へ