Netflix『すべては神のために:裏切られた信仰』を制作したチョ・ソンヒョンPDが、カルト宗教と警察の癒着を主張した。
チョPD(プロデューサー)は8月21日、ラジオ番組『キム・ヒョンジョンのニュースショー』(CBS)のインタビューに応じた。
チョPDは最近、『すべては神のために』の一部シーンに「性暴力処罰法違反疑惑」が適用され、送検された。
そのシーンとは、キリスト教福音宣教会(通称:摂理、韓国ではJMS)の教祖チョン・ミョンソクの性暴行疑惑を暴露するため、摂理が実際に制作したという映像だ。ここには、性的暴行の被害者と推定される女性信徒たちが裸体で登場する。
制作陣は被害女性たちの顔だけを“ぼかし処理”し、体はそのまま流すという選択を取った。が、性暴力処罰法違反疑惑を受けることとなってしまった。
本件に関してチョPDは、「摂理の信徒であり、警察である人々が、被害者ではなくチョン・ミョンソクを保護するために動いた」と主張。「取材を始めた時のターゲットは摂理だったが、取材を続ければ続けるほど主なターゲットが警察に移っているという気がした」と強調した。
彼によると、摂理の脱退者が、警察内部の信徒リストとHDDを製作陣に渡したという。警察内部の信徒は「師父」と呼ばれる。
チョPDは作品内でチョン・ミョンソクの性暴行を暴露した告発者メープルに先立ち、すでに6カ月前にチョン・ミョンソクを告訴したアメリカ人の女性信徒がいたことを明らかにし、「信徒であり警察である“師父”が告訴の事実を摂理に知らせた。家に信徒たちが訪ねてきて脅迫したため、その女性は告訴を取り下げた」と驚きの発言をした。
また、「重要な点の一つが、警察が被害者を保護するためではなく、チョン・ミョンソクを保護するために動いたこと」として、「摂理内部の名前では“チュ・スホ”という人が瑞草(ソチョ)警察署の知能犯罪チーム長だったが、彼がメープル事件にどのように対応するかを文書にし、証拠隠滅に加担した事実が判決文によって明らかになっている」と語った。
何よりも、チョPDは警察と摂理の癒着の証拠が収められた写真などについても言及し、「映画『インファナル・アフェア』(2002年の香港ノワールの傑作。マフィアに潜入した捜査官と、警察に潜入したマフィアの物語)と似ている。チョン・ミョンソクが真ん中に座り、警察が(周辺に)制服を着たままひざまずいている写真で、警察大学の卒業生たちも含まれている。のちに公開される予定だ」と予告した。
このほかにも彼は、自身に適用された同様疑惑で処罰された先例として、「n番部屋事件」の主犯であるチョ・ジュビンを挙げた。「警察がチョ・ジュビンとチョ・ソンヒョンという人を同一視したのだ。チョン・ミョンソクの性搾取を証明する映像を含めないわけにはいかないだろう。摂理は“捏造”と主張しているが、彼らが否定できない事実を知らせるために公開するのが正しいと考えた」と表明した。
なお、チョPDが手掛けた『すべては神のために:裏切られた信仰』は、韓国現代史におけるカルト宗教と“インチキメシア”、そしてその裏に隠された非道な事件を追跡したドキュメンタリーシリーズだ。昨年3月に計8話が公開され、熱い話題を集めた。
(記事提供=OSEN)
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