何より今回のHYBEのSM買収は、SM内部の葛藤が早く終わる契機になるのではないかという期待感の声も出ている。
先立ってSMの現経営陣とイ・スマン総括プロデューサーとの不和が外部に露出され深刻な危機に追い込まれたが、HYBEのバン・シヒョク議長が買収に乗り出し、より早く正常化できる手順を踏むだろうというのが業界の分析だ。
ここに数年間低迷していたSMエンターテインメントの経営難と雰囲気もやはりイ・スマン前総括プロデューサーが、今回のことをきっかけに一線から退き、新しい突破口を見出すことができるものと予想している。
特に、K-POPファンが最も注目するのは、HYBEとSMエンターテインメントが手を取ったことによって類例のない「K-POP王国」が完成したという点だ。
HYBEにはBTSやSEVENTEEN、TOMORROW X TOGETHER、NewJeans、LE SSERAFIM、ENHYPENなどが所属しており、SMでは東方神起やNCT、EXO、aespa、SUPER JUNIOR、SHINee、少女時代、Red Velvetなどが活動中だ。
世界中でK-POPブームが起き、新しいアイドルグルーブ続々と誕生しているが、大型芸能事務所でも同じだ。新人グループをつくっては、また他の新人を練習させてデビューを準備するほどK-POP界の争いは想像以上だ。
そんななか韓国トップのHYBEとSMエンターテインメントが手を組んだことにより、以前は他社より良いコンセプト、より良い音楽、より良い舞台などで競争するライバルが、これからは互いに“ウィンウィン”の関係になったとみることができる。
もちろん簡単ではないだろうが、グループやソロアルバムにフィーチャリングやデュエットをするなど、より多くのコラボも期待できる。YGエンターテインメントで言うなら、G-DRAGONのアルバムにBLACKPINKのジェニーが参加するようにだ。
ほかにもBTS成し遂げた海外進出および成果、活動に対する広い理解、韓国で最初にアイドル文化を作り出したSMエンターテインメントのノウハウ、互いに色が明確に違っていた両社間の音楽的交流などがどのようなシナジー効果をもたらすか期待されている。