“兵役逃れ”で韓国に入国できないまま20年目を迎えた歌手ユ・スンジュン。彼がビザの発給を求めて提起した訴訟で、裁判所はユ・スンジュンの国籍について整理するよう要求した。
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9月22日、ソウル高等裁判所・行政9-3部(チョ・チャンヨン、カン・ムンギョン、キム・スンジュ部長判事)は、ユ・スンジュンが駐ロサンゼルス総領事を相手に提起したビザ発給拒否処分取消訴訟の控訴審の初弁論を進行した。
ユ・スンジュン側の訴訟代理人は、控訴理由について「外国人の基本権」について言及した。
すると裁判所は「(ユ・スンジュンが)完全な外国人ではないではないか」とし、「原告が憲法第6条第2項に出てくる外国人なのか、第2条第2項に出てくる在外国民なのか、もしくは2つに該当するのか検討すべき」と、原告側に要請した。
韓国憲法の第6条第2項は「外国人は国際法と条約が定めるところによって、その地位が保障される」と規定。一方の第2条第2項には、「国家は法律が定めるところによって、在外国民を保護する義務を負う」と明示されている。
また裁判所は駐ロサンゼルス総領事側にも「出入国管理法上の外国人と、在外同胞法上の在外同胞の間にどんな差異点と共通点があるのか、法的な解釈をするように」と伝えた。
1997年のデビュー後、数々のヒット曲でK-POPスターの地位に上がったユ・スンジュンは、人気絶頂だった2002年に入隊を控えて出国し、韓国国籍を放棄してアメリカ市民権を取得した。
以降、ユ・スンジュンが兵役を逃れるために韓国国籍を放棄したという指摘が続き、社会的な物議となった。韓国法務部はユ・スンジュンに対して入国禁止措置を下した。
そのためユ・スンジュンは約20年にわたって、韓国に入国できずにいる状況だ。
ユ・スンジュンは2015年10月に在外同胞(F-4)ビザ発給を申請したが、駐ロサンゼルス総領事館がこれを拒否すると訴訟を起こした。1審、2審は原告の敗訴となったが、最高裁判所は破棄差戻し審を経て、ユ・スンジュンの勝訴の判決を2020年3月に確定した。
しかし韓国外交部は、最高裁判所の判決は適法な手続きを経て決定せよという趣旨であるだけで、ビザを発給せよという趣旨ではないとし、ビザの発給を拒否。ユ・スンジュンは再びビザの発給を申請して拒否されると、2020年10月、ソウル行政裁判所にビザ発給拒否処分取消訴訟を提起した。
1審で敗訴したユ・スンジュンが控訴。現在行われている控訴審の行方に大きな注目が集まっている。
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