女性ユーチューバーのツヤンがYouTubeチャンネル「カロセロ研究所」やその代表キム・セウィを相手に申請した「映像投稿の削除および掲載禁止」の仮処分申請について、裁判所が一部認容の決定を下した。
私生活の侵害に該当すると判断されたのだ。最近、カロセロ研究所が俳優キム・スヒョンの私生活も暴露していたことから、今回の裁判所の判断にはさらなる注目が集まっている。
4月17日、ソウル中央地裁・民事合議51部(パク・サンオン部長判事)は、ツヤンがカロセロ研究所とキム・セウィ代表を相手取って申し立てた「映像投稿の削除および掲載禁止」の仮処分申請について、一部認容の決定を下した。
これは、申請人側の一時的な保護要請を裁判所が認め、その権利や状態の保全を図ったことを意味する。事実上、ツヤンがカロセロ研究所に対して勝利を収めた形となった。
問題の発端は、カロセロ研究所とキム・セウィ代表が、2024年7月にツヤンがユーチューバーのクジェヨク(本名イ・ジュンヒ)らから脅迫されていたとし、その関連音声を公開したことだった。
ツヤンが過去に遊興施設で働いていた事実をネタに、脅迫されていたと主張したためだ。その後、ツヤンは、元交際相手からの暴力と強要により遊興施設に従事していたと明かしたが、キム・セウィ代表はこれに対し「事実ではない」とする趣旨の配信を続けた。
ツヤンによる釈明を無視し、勝手に映像を公開したのだ。「国民の知る権利」という大義名分のもと、刺激的な映像で再生数を稼ぎ、利益を得ていたという指摘もある。
これを受け、ツヤンはキム・セウィ代表をストーカー処罰法違反、脅迫、強要などの容疑で告訴。しかし警察は証拠不十分を理由に、今年2月にキム・セウィ代表を不起訴処分とした。
だが、検察はツヤンの異議申し立てを受け入れ、補足捜査を指示していた。
そして4月17日、ソウル中央地裁は、「ツヤンの社会的評価を著しく傷つける内容であるだけでなく、私生活の秘密として保護されるべき事項を侵害する内容であることが立証された。多数の不特定多数が視聴可能なYouTubeチャンネルにこれを投稿する行為は、正当な権利行使の範囲を超えるもの」として、仮処分申請の一部を認容した。
この裁判所の判断で注目されたのは、「私生活の秘密として保護されるべき事項を侵害した」という点だ。
カロセロ研究所はツヤン以外にも、最近では俳優キム・スヒョンや突然この世を去った女優キム・セロンさんの私生活を無差別に暴露し、問題視されていた。
3月初旬から約1カ月間、キム・セロンさんの遺族は、カロセロ研究所を通じて、キム・セロンさんが未成年だった2015年から約6年間、キム・スヒョンと交際していたと主張。あわせてカロセロ研究所は、彼女が未成年時に撮影されたとするキム・スヒョンとのスキンシップ写真や、当時の手紙、カカオトークのやり取りなどを証拠として次々に公開していた。
これに対しネットユーザーたちは、「暴露された映像や写真は本物なのか?」「また故イ・ソンギュンのようなことが起きるのではと心配」「問題は私生活の侵害だ」「まずは中立を保とう」など、慎重な反応を見せた。
ツヤンの私生活を無断で公開し、裁判所から制裁を受けたカロセロ研究所。加えて、俳優キム・スヒョンやキム・セロンさんの過去の私生活を掘り返し、故人の未成年時代の私的記録を暴露した行為についても「やり過ぎだ」との批判が相次いでいる。
すでに裁判所がツヤンの事例で私生活の侵害を明確に認めた以上、カロセロ研究所が今後、キム・スヒョンやキム・セロンさんに関する報道について、さらなる法的責任を問われる可能性にも注目が集まっている。
また、この一件が「サイバー・レッカー(ネット上で過激なコンテンツを収集・拡散する人物)」的な暴露手法に対し、警鐘を鳴らすきっかけとなるかどうかも注目されている。
(記事提供=OSEN)
◇ツヤン(Tzuyang)プロフィール
1997年4月25日生まれ、本名パク・ジョンウォン。2018年頃からユーチューバーとして活動。見た目とはギャップのある“大食い”動画で愛され、YouTubeチャンネル登録者数は1140万人(2025年1月現在)に上る。韓国ギャラップ社が2024年6月に発表した「韓国人が最も好きなユーチューバー」で1位を獲得しており、テレビ番組やCMにも出演して活躍。ゲームグラフィック&漫画アニメーション学科を卒業しており、絵がとても上手い。
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