「初恋で、最後の恋」
【画像】「キスして」キム・スヒョンとキム・セロンさんのやり取り公開
今年2月にこの世を去ったキム・セロンさんが生前、キム・スヒョンに宛てて綴った手紙の内容が公表され、韓国社会に静かな衝撃と深い余韻を与えている。
彼女が遺した言葉には、世間の誤解と真実、その狭間で揺れた心の奥底が、痛いほどまっすぐに映し出されていた。
3月27日、ソウル・瑞草(ソチョ)区のスペースシェア江南駅センターで開かれた記者会見で、キム・セロンさん遺族の法的代理人を務めるプ・ジソク弁護士は、「これはキム・セロンがキム・スヒョンに宛てた手紙だが、結局届けられなかった」として全文を公開した。
手紙には「訴訟が怖かった」「写真を投稿したのは申し訳ない。会社からの連絡がほしくて投稿しただけだった。迷惑をかけたこと、本当にごめんなさい」など、誤解を解きたいという切実な気持ちが綴られていた。
彼女は手紙でキム・スヒョンのことを“オッパ”(年上男性への親しみを込めた呼称)と呼び、「ゴールドメダリスト(キム・スヒョン所属事務所。キム・セロンさんもかつて所属)の人たちが本当に怖くて、不安だった。退社後は誰とも連絡が取れなかった」と孤独や不安を訴えている。
さらに「これまでの時間が虚しく、脱力している。せめて、応援し合える関係にはなれないかな。私のこと、そんなに嫌い?」と、やるせなさや寂しさも滲んでいた。
手紙の最後には携帯番号まで記されており、「もし、この手紙を読んだなら返事をちょうだい。もう、どうすれば想いを伝えられるか分からない。家の住所が変わっていないことを願ってる。ロベ(ゴールドメダリスト代表でキム・スヒョンの親族)じゃなく、あなたに読んでほしい」と、願いにも似た言葉が記されていた。
「あなたの仕事も、恋愛も、全部応援してる。どうか幸せでいて。お互いに過ごした時間が、悪い記憶にならないように」
この最後の一文には、一人の人間として、かつて恋人だった存在としての穏やかで静かな祈りが込められていた。
さらに、キム・セロンさんの遺族側は新たな主張を展開。彼女が未成年だった頃からキム・スヒョンと約6年間にわたり交際していたとし、2022年に発生した飲酒運転事故後、ゴールドメダリストから損害賠償金7億ウォン(約7000万円)を「内容証明」で請求され、深刻な精神的プレッシャーを受けていたと明かした。
手紙全文は以下の通り。
◇
こんにちは、私、ロニ(愛称)だよ。元気にしてる?
私たちの間に積もった誤解を解きたくて、こうして手紙を書くことにしたよ。私は会社の誰とも連絡が取れなかったし、訴訟も怖かった。でも、写真を投稿したのは本当にごめん。会社から連絡がほしくて載せた写真だったんだ。迷惑をかけたこと、本当に申し訳ない。
私は、ゴールドメダリストの人たちがすごく怖くて、居心地が悪かった。会社を辞めたあと、誰も私の連絡に応じてくれなかった。オッパを困らせたいなんて思ってないよ。ただ、心からオッパが幸せでいてくれることを願ってる。
私たちが一緒に過ごした時間は、だいたい5~6年くらいだったみたい。オッパは私の初恋で、最後の恋でもあったから、できれば私のことを避けないでほしい。
オッパが私を避けて、向き合おうとすらしてくれない姿を見ていると、それまでの時間がすごく空しく、虚しさばかりが残ってしまう。ただ私たち、普通に元気でやっていけたらいいなって思う。何も求めないから、せめて応援し合えるような関係にはなれないかな。私はそんなに嫌われてるの?そんなに憎まれてるの?どうして?
もし、この手紙さえも届かなかったなら、私たちの関係は本当に永遠に終わってしまうと思う。そうなったら、私はきっと悲しくなる。もうこれ以上、オッパの人生に入り込んだりはしない。だから、私のことを憎まないで。いつか笑って会える日が来るといいな。
010-XXXX-XXXX、これが私の番号。もしこの手紙を読んでくれたら、連絡をください。どうしても私の気持ちを伝える方法が分からなかった。家の住所が変わっていないことを願ってる。そして、この手紙をロベじゃなくて、オッパが読んでくれることを
これからも、オッパの仕事も恋愛も、すべて応援してる。どうか幸せでいて。私たちが一緒に過ごした時間が、悲しい記憶として残らないように…。
◇キム・セロンさん プロフィール
2000年7月31日生まれ。9歳から子役として活動を始め、スクリーンデビューとなった2009年公開の主演映画『冬の小鳥』では孤児院に捨てられた少女を熱演。カンヌ国際映画祭に韓国の役者史上最年少で招待された。2010年の『アジョシ』ではウォンビンと共演し、大韓民国映画大賞新人女優賞を最年少で受賞。2019年に韓国で放送されたドラマ『レバレッジ:詐欺操作団』では、凄腕の女泥棒役を見事に演じて魅力的な姿を披露した。2022年5月18日に免許取り消しレベルの泥酔状態で運転して事故を起こし、活動を自粛。2025年2月16日、24歳でこの世を去った。
◇キム・スヒョン プロフィール
1988年2月16日生まれ。2011年に放送されたペ・ヨンジュン企画のドラマ『ドリームハイ』(KBS)で一躍人気を集めた。日本でも大ヒットしたドラマ『星から来たあなた』で演技力が高く評価され、アジア各国で不動の人気を誇っている。内向的な性格を心配した母親から演劇を勧められたことをきっかけに、俳優を志すようになった。
■【写真】キム・セロンさん、生前「即削除」した男性との結婚報告2ショット
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