韓国Kリーグ1(1部)の仁川(インチョン)ユナイテッドが、ペットボトル投げ込み行為を犯したファン124人に条件付き無期限入場禁止処分を下した。
5月23日、仁川は同月11日にホームの仁川サッカー専用競技場で行われたKリーグ1第12節のFCソウル戦において、試合後にピッチにペットボトルを投げ込んだ行為を自己申告した計124人に対し、ホームゲーム無期限出場禁止処分を下したことを発表した。
当時行われた仁川対ソウルの“京仁(キョンイン)ダービー”は、アウェイのソウルが2-1で逆転勝利。
すると、試合終了直後にソウルのGKペク・ジョンボム(23)が、仁川サポーターのいる真後ろのゴール裏に向かって、両腕を突き上げて感情を爆発させる“挑発セレモニー”を行った。
これに激怒した一部の仁川サポーターが、ピッチに向かって大量にペットボトルを投げ込んだ。
投げ込まれた一部のペットボトルは、ソウルのMFキ・ソンヨン(35)の急所に直撃するなど、選手が被害を受ける事態となっていた。
仁川は試合終了2日後の13日から、ペットボトル投げ込み行為に関する「自己申告制」を運用した。 投げ込み行為を自己申告した観客については、今後クラブの民事・刑事上の法的措置における対象から除外し、クラブの自主的な懲戒のみを科すというものだ。
仮に自己申告をしなかった場合、写真や映像、証言などすべての証拠資料を基に警察署に告発し、今回の事故に対するクラブのすべての財政被害に対する金銭的損害補償請求を行うことを予告していた。
試合当時、ピッチ内へ投げ込まれたペットボトルの数は計105個と確認された。また、19日までに受け付けられた自己申告の人数は計124人だった。
仁川は22日、クラブ独自に懲戒委員会を開き、法曹界や仁川市、クラブ取締役陣及び役員などの委員とともに自己申告者に対する懲戒内容を確定した。
自己申告した124人には無期限入場禁止処分が科される。
ただし、クラブが指定した奉仕活動を100時間履修した場合、懲戒解除が可能となる“条件付き”の処分となっている。
奉仕活動を行う人員は、仁川ホームゲームの試合前後や試合中に、スタジアム外でファンのためのボランティア(清掃、手荷物検査など)とともに、クラブの「健全なサッカー観戦文化キャンペーン」を自ら先導する。
これは、自己申告者の懲戒期間におけるホームゲーム観戦を防ぎ、彼らが奉仕活動を通じて健全な観戦文化キャンペーンに乗り出すことで、仁川、ひいてはKリーグ全体の観戦文化改善を先導するためだ。
仮に、自己申告者が該当期間にクラブの処分を破ってホームゲームに出入りしたり、ホーム及びアウェイゲーム問わず安全上の問題を起こしたりしたことが明らかになれば、クラブの損害額求償権請求など強力な加重処罰を行い、すべての懲戒対象者は該当内容が含まれた誓約書を作成することになる。
仁川は無期限入場禁止処分のほか、来る25日の光州(クァンジュ)FCとのホームゲームを含むリーグ戦5試合、コリアカップ1試合に限り、ホームゲームの応援席(S区域)を全面閉鎖する予定であり、該当期間の集団応援も禁止する。
また、2024年シーズンの残りのホームゲームにおいて、会場内全区域で物品搬入規定を強化する予定であり、応援物品の事前申告制も運用する。
併せて、健全な観戦文化改善のためのキャンペーンも継続的に実施する予定だ。
なお、仁川は16日、Kリーグを主管する韓国プロサッカー連盟からも、ホームゲーム応援席閉鎖5試合及び制裁金2000万ウォン(日本円=約230万円)の懲戒を受けているが、制裁金に関しては自己申告者の自発的な募金を受け付ける予定だ。
金額が不足した場合は、チョン・ダルス代表取締役がクラブの総責任者として、個人的に負担する予定だという。
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