監督決まらず迷走…“カオス状態”の韓国代表に選手の本音は?「混乱し、落ち着かない雰囲気は事実」

韓国代表が正監督を決められず“迷走”するなか、FWファン・ヒチャン(27、ウォルヴァーハンプトン)が最高のシーズンを終えて帰国した。

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ファン・ヒチャンは5月21日、仁川(インチョン)国際空港を通じて韓国に帰国した。

ファン・ヒチャンは2023-2024シーズンのプレミアリーグで29試合に出場し、12ゴール3アシストの活躍を見せた。

得点ランキングでは同僚のブラジル代表FWマテウス・クーニャ(24)と並ぶ17位タイで、プレミア進出3年目にして初の二桁得点にも成功した。今年1~2月のアジアカップ出場による離脱機関がなければ、トップ10入りも可能だったはずだ。

帰国直後、報道陣の取材に応じたファン・ヒチャンは、「プレミアリーグで12ゴールであれば、悪くなかったシーズンだったと思う。より自信を持つようになり、もっと上手くやりたいというモチベーションを得られたシーズンだったと思う」と一年を振り返った。

ファン・ヒチャン
ファン・ヒチャン

“パク・チソン越え”にも謙遜

ファン・ヒチャンはウルブズ移籍初年度に5ゴール、2年目に3ゴール、そして3年目の今季に12ゴールを挙げ、プレミア通算「20ゴール」の高みに上がった。

これにより、かつてマンチェスター・ユナイテッドで活躍し、現在は全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースのテクニカルディレクターを務めるパク・チソン氏が現役時代に記録したプレミアリーグ通算19ゴールの数字を越えた。

この事実に、ファン・ヒチャンは「その記録を越えることができ、とても光栄に思う」としつつも、「パク・チソンさんは自分にプレミアリーグの夢を見させてくれた方であり、サッカー選手としても国家代表という夢を育むことができた。パク・チソンさんがどれだけ大変な道を歩んだのかわかり、どれだけ偉大なのかも実感した。シーズンが終わってからも直接連絡していただき、光栄だった」と謙虚な姿勢を見せた。

何より、韓国代表の先輩であり、一時期は得点ランキングで順位争いを繰り広げたFWソン・フンミン(31、トッテナム)は、ファン・ヒチャンにとって“モチベーション”そのものだ。

アジアカップによる離脱前、ファン・ヒチャンは得点ランキングでソン・フンミンを上回っていた。ただ、最終的にはソン・フンミンが35試合出場で17ゴール10アシストを記録し、得点ランキング8位でフィニッシュした。

「(ソン)フンミンさんとプレミアリーグ得点上位に入ったので、もっと上手くやろうと努力したと思う。フンミンさんは自分にとって大きなモチベーションだった」とファン・ヒチャンは振り返る。

ソン・フンミン
ソン・フンミン

「2022-2023シーズン、リーグ戦でわずか3ゴールに終わって帰ってきたときはとても恥ずかしかった」と自責したファン・ヒチャンは、今季プレミアで対戦相手が必ず警戒すべきアタッカーに生まれ変わった。

実際、マンチェスター・シティを率いるジョゼップ・グアルディオラ監督は、とあるインタビュー時にファン・ヒチャンの名前を思い出せず、「コリアン・ガイ」と呼んだことで、これがファン・ヒチャンのニックネームとなった。

ただ、グアルディオラ監督はウルブズとの試合後には、正確にファン・ヒチャンの名前を覚えていた。

ファン・ヒチャンは「グアルディオラ監督やユルゲン・クロップ監督だけでなく、相手チームの監督が時々(自分のことを)言及するたびにとても誇らしかった。常に上手くやりたい気持ちが大きい。より良い選手になるために努力し続けている。そうしていたら、良い成績を収めることができた」とし、「自分はすべてのニックネームをポジティブに考えている。(コリアン・ガイというニックネームは)しばらく話題になったが、自分のこと、また韓国のことを知らせることができたと思う」と笑顔を見せた。

「結果を出すことに集中」

もちろん、良い思い出だけがあるわけではない。

韓国代表でも主力アタッカーを担うファン・ヒチャンは、64年ぶり優勝に挑んだアジアカップで準決勝敗退に終わった。ヨルダンに0-2で完敗した試合を、ファン・ヒチャンは「とても痛く、最も残念な試合」と言及したこともあった。

キム・ドフン
(写真提供=韓国プロサッカー連盟)キム・ドフン暫定監督

韓国代表は6月に北中米W杯アジア2次予選の2連戦を戦うが、今回も正監督ではなく、暫定監督体制で試合を戦う。ファン・ヒチャンは今回も主力としてプレーする可能性が高い。

今回、韓国代表の暫定監督を務めるキム・ドフン氏とは、同氏が2014年にU-19韓国代表のアシスタントコーチを務めた際にともに活動したことがある。

「監督が上手くできるように、選手として当然最善を尽くさなければならない」というファン・ヒチャンは、「最終予選に向かう大事な瞬間だ。混乱して落ち着かない雰囲気は事実だが、結果を出すことに集中しなければならない。特にホームではより良いパフォーマンスを見せ、勝利したい気持ちが大きい」と力を込めて語っていた。

なお、韓国代表は6月6日にアウェイのシンガポール・ナショナルスタジアムでシンガポール代表、11日にホームのソウルワールドカップ競技場で中国代表と対戦する予定だ。

(構成=ピッチコミュニケーションズ)

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