2月25日、国立競技場で行われたJ1リーグ開幕戦で東京ヴェルディに2-1で勝利した横浜F・マリノス。
今季からチームを率いるハリー・キューウェル監督は、後半27分に2人の中盤の選手を投入した。FWエウベル(31)とMF渡辺皓太(25)を下げ、MF天野純(32)とMFナム・テヒ(32)を送り出したのだ。
昨季途中に加入したナム・テヒと、韓国Kリーグでの2年間のレンタル生活を終えて復帰した天野。横浜FMは今季すでにAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝トーナメント1回戦バンコク・ユナイテッド戦の2試合をこなしているが、攻撃的MFを本職とする2人が同時起用されるのは今回が初だった。
実際、バンコク戦はホーム&アウェイの2試合いずれもナム・テヒが先発出場し、後半途中に天野と交代する形となっていた。
それが今回はともにベンチスタートで、同じタイミングでの途中出場。試合後、「キャンプのときから一緒にプレーする機会はそこまで多くなくて、どちらかが出てどちらかが出ないというケースが多かった。ただ、今回のような負けている状況だと、あのような形(同時起用)になると思います」と振り返った天野が明かしたのはナム・テヒとの“波長の良さ”だった。
「(ナム・テヒは)フィーリングがとても合う選手かな、と思います。練習中からそう感じることが結構ありますし、彼がボールを持ったら近くに寄ってあげたりして、2人の連係で崩せる場面も今後あると思います。(ナム・テヒとの連携を)武器にしていけば、チームにとっても大きなものになるのかなと」
ナム・テヒにも天野との連携面を聞くと、「技術的な面もそうですが、練習中も言葉をあまり交わさなくてもアイコンタクトだけで通じるような、そんな感覚があります」と似たような答えが返ってきた。
そのうえで、「天野純のような選手と一緒に試合を戦えること自体、チームメイトとして幸運なことです」と伝えたナム・テヒは、天野との共存に対する“期待感”もあらわにした。
「お互いにチーム内でもう若くなく、ベテランの年齢です。一緒にプレーをするようになってまだ日が浅いですが、時間が深まれば深まるほど、2人で良いシナジー効果を発揮できるんじゃないかと自分自身も期待しています」
ともに1991年生まれ、誕生月も同じ7月という天野とナム・テヒ(誕生日は天野が19日、ナム・テヒが3日)。同い年の“日韓コンビ”がキューウェル新体制の横浜F・マリノスをけん引する原動力となるかに注目したい。
(取材・文=姜 亨起/ピッチコミュニケーションズ)
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