浦項(ポハン)スティーラーズの先制の起点となったDFパク・スンウク(26)が、浦和レッズ攻略の要因を明かした。
10月24日、埼玉スタジアム2002で浦和対浦
浦項の2得点はいずれもサイドの攻め上がりから生まれた。
前半22分の先制シーンでは、GKファン・インジェ(29)のサイドチェンジを左サイドバックのパク・スンウクが受けてドリブルで持ち上がり、最後はFWキム・スンデ(32)のクロスに右サイドのFWチョン・ジェヒ(29)が走り込んで右足で合わせた。
後半4分の2点目も、中盤左サイドでのボール奪取からハーフウェイライン付近にパスが送られると、自陣深いところから駆け上がったFWキム・インソン(34)がスピードを活かして一気に浦和陣内に侵入。ゴール前へのグラウンダークロスをMFコ・ヨンジュン(22)が冷静に沈め、貴重な追加点をマークした。
この日、左サイドバックでフル出場したパク・スンウクは、大学を経て2019年にK3リーグ(3部相当、セミプロ)の釜山(プサン)交通公社サッカー団に入団。その後、2021年7月にキム・ギドン監督に見出されて浦項に移籍し、4カ月後の同年11月にはアル・ヒラルとのACL決勝の舞台に立ったという異色の経歴の持ち主だ。
今季もリーグ戦では29試合に出場して1ゴール1アシストを記録。本職は右サイドバックだが、左サイドバックやセンターバック、ボランチなど複数のポジションをこなせるマルチロールな選手として浦項で主力を張っている。
そんなパク・スンウクに試合後、浦和攻略の要因や肌で感じた埼玉スタジアムの雰囲気について話を聞いた。
以下、パク・スンウクとの一問一答。
◇
―試合を振り返って。
「浦和は今季ACLで最も難しい相手と見ていたので、その相手にアウェイで勝つことができて嬉しいです。これでグループ3連勝にも成功したので、この勢いに乗って決勝トーナメントに進出したいです」
―浦項の先制シーンは自身のドリブルでの持ち上がりが起点となった。当時のイメージとしては。
「僕らが準備していた部分です。片方でボールを保持してサイドチェンジから中に入り、再びサイドから中央に入れるというのを準備していました。その部分で自分たちが準備した通りに上手く行き、ゴールが生まれたのでとても良かったです」
―浦和はリーグ戦で最も失点が少なく、守備が強いチームだが、その相手をどのように攻略しようとしたのか。
「浦和はリーグ戦で僕らより失点がも少なく、組織力があって非常に硬いチームだなという印象がありました。なので、我々としては運動量もそうですが、より組織的なプレーを通じて攻略しようとし、準備したことを上手く発揮できたと思います。相手の少し弱い部分を上手く利用し、そこから得点が生まれたので勝利できたと思います」
―敵地・埼玉スタジアム2002に乗り込んでの試合だったが、スタジアムの雰囲気はどうだったか。
「浦和の応援が素晴らしいというのは知っていました。それに、Jリーグは平日でもこんなに多くのファンの方々が来ていて、僕らとしても壮大な雰囲気のなかでサッカーをできたことがとても光栄に思います。僕自身、もっと頑張ってこのような舞台でプレーしてみたい。そのような考えが浮かびました」
―次回、11月8日のACL第4節では浦和をホームの浦項スティールヤードに迎え撃つが。
「浦項スティールヤードは埼玉スタジアムより収容人数は少ないですが、それでも浦項ファンの方々の応援も素晴らしいです。彼らの応援を浦和の選手たちも聞いて、浦項スティールヤードの雰囲気を感じてもらって、お互いに良い試合ができればと思います」
―パク・スンウク選手は2019年に3部セミプロでデビューし、2021年夏に浦項に引き抜かれその年の秋にはアル・ヒラルとのACL決勝の舞台にも立った。そして今回、日本で試合を戦ってみて、どのような心情か。
「まだ自分は小さな舞台でサッカーをしていると思います。もっと広い世界のサッカーに挑戦してみたいですし、このような素晴らしいスタジアムで良いチームと対戦できることは、僕自身にとってモチベーションになります。もっと一生懸命頑張って挑戦を続けたいと思っていますし、常に研究し、発展し続けたいと思っています」
(取材・文=姜 亨起/ピッチコミュニケーションズ)
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