韓国Kリーグの2019年シーズンが終わった。12月1日に最終節(第38節)が行われたが、最後の最後に全北現代の大逆転で幕を閉じた。
前節まで首位の座にあったのは蔚山現代だった。
現役時代はヴィッセル神戸でもプレーしたキム・ドフン監督のもと、GKにキム・スンギュ(元神戸)、ボランチにパク・チュホ(元鹿島・磐田)、右サイドにキム・ボギョン(元柏)など、Jリーグ経験者も多く揃えた蔚山は、10月になると首位の座に躍り出た。
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第37節ではライバルの全北現代に引き分けて勝ち点79とし、最終節で引き分けても14年ぶりの優勝が手に入る状況だったが、ホームの浦項スティーラーズ戦で1-4の完敗を喫してしまった。
一方、全北現代はホームに江原FCを迎えた最終節で1-0の勝利。これにより蔚山現代と全北現代が勝ち点79で並んだが、総得点でわずか1点上回った全北現代が3年連続のKリーグ・チャンピオンになった。
これにより、来季ACLには全北現代(リーグ1位)、蔚山現代(リーグ2位)、水原三星(FAカップ優勝)の3チームが出場することが確定。またFCソウルがACLの予選プレーオフに挑める、リーグ戦3位になっている。
気になるのは今季Kリーグでプレーした日本人選手の成績だろう。
まずは昨季Kリーグで35試合出場5得点2アシストを決め、チームの主力として活躍した慶南FCの邦本宜裕。
昨季は「“悪魔の才能”邦本はいかにして生き返ったのか」(『FOOTBALLIST』4月5日)、「慶南のヒット商品は邦本」(『朝鮮日報』8月8日)、「慶南で再起した日本サッカー界の神童・邦本」(『スポーツ東亜』8月16日)とシーズンを通じて話題となり、今季ACLのグループリーグの鹿島アントラーズ戦ではゴールも決めて日本でも話題になったが、5月下旬にハムストリングを負傷。
8月に復帰したが、今季は26試合2得点2アシスト(Kリーグ)、4試合2得点(ACL)に終わった。
この邦本と同じく今季ACLに出場した大邱FCの西翼も怪我に苦しんだ。
シーズン開幕時からレギュラーの座を掴み、4月20日のKリーグ第8節・浦項スティーラーズ戦ではKリーグ初ゴールも決めたが、5月26日の第13節・水原三星戦で膝の十字靭帯を痛め、手術することに。9月にはランニングを開始しているが、まだ完全復活はできておらず、今季は13試合1得点1アシストに終わった。
そして今年7月から江原FCでプレーする元横浜FCの中里崇宏。チーム合流後すぐに左サイドバックの定位置を掴み、Kリーグ1年目は11試合出場となった。
ちなみに今シーズンから江原FCに加入した元大分トリニータの清本拓己は、リーグ戦出場がないまま、今年7月に江原と契約解除している。
このほかKリーグ2(2部リーグ)には元日本代表で鹿島、大宮、清水などでもプレーした増田誓志がソウル・イーランドFCで、京都、SC相模原、ザスパクサツ群馬、アスルクラロ沼津などでプレーした石田雅俊が安山グリナーズでプレーしているが、増田は12試合0得点0アシスト、石田は24試合9得点でシーズンを終えた。
これまでもワールドカップ出場経験がある元日本代表から、のちにJリーグMVPになる選手など、数多くの日本人選手がKリーグに挑戦してきたが、今季は日本人Kリーガーたちにとって厳しいシーズンとなったのかもしれない。
(文=慎 武宏)
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