韓国プロ野球の暴行事件に見る「悪しき上下関係」…“被害者”も“加害者”に変わる負のスパイラル

忘れかけたと思ったら、またしても暴行の話が出てきた。それも大の大人が集まったプロ野球球団でだ。

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軍隊であっても最近はそのような話をめっきり聞かなくなったのに、一体なぜなのか。後輩を殴らなければ“先輩”としての面子が保たれないのだろうか。

SSGランダースのフューチャーズチーム(2軍)で暴行事件が発生した。

事件が起きたのは7月6日、仁川(インチョン)・江華(カンファ)のSSGフューチャーズパーク。そこで、今年から入団した新人選手Aの態度が「生意気だ」という理由で、選手Bが全体集合をかけた。

百歩譲っても、ここまではあり得ることかもしれない。

ただ、問題だったのはやり方だ。罰を与えたのだ。それだけではなく、選手Bに続いて選手Cも怒った。彼はなんとバットで暴行を加えた。

選手Cの順番が終わると、今度は選手Dが出てきてさらに罰を与えた。過去の軍隊でしか見られなかった光景が、現代のプロ野球球団内で見られた。

誰かが選手B、選手C、選手Dに罰や暴行の権限を与えたわけではない。ただただ自分たちが“先輩”であるため、“後輩”を“教育”しようと、今回の一件を起こしたわけだ。

考え方もやり方もすべて間違っている。

プロ野球選手であるならば、どうやってより良い打球を生み、より優れたボールを投げ、上手く守備ができるかを考えなければならない。そのために、日々一生懸命トレーニングをこなさなければならない。

自分をどれだけ優れた人間だと思って、ほかの選手の貴重な時間を奪っているのか。それも、苦痛を与えながらだ。

球団は地道に教育している。プロ野球は韓国国内最高の人気スポーツだ。多くの関心を集めるだけに、不祥事が起きれば当然、波紋は大きい。だからこそ、徹底的に管理をする。

にもかかわらず事故が起きる。とある球団関係者は「暴行は決してあってはならないことだ。いじめも同様だ。毎年、全選手を対象に教育を行っている。すべての球団がそうだろう。それでも事故が起きる。なぜなのかはわからない」ともどかしさを吐露した。

先輩後輩の厳しい上下関係は韓国独特の文化だ。“1年単位”で区切り、長幼の序が厳格に守られる。

かといって、後輩は必ず先輩を“見上げなければ”ならず、先輩は後輩の上に“君臨する”関係では決してない。

過去にはそのようなケースが多かったとはいえ、今は状況も変わったものだ。

SSGフューチャーズチームの暴行事件に関して、さらに驚くべき点もある。

それは、今回後輩に暴行を加えた選手たちが、3年前は“被害者”だったという点だ。

前身のSKワイバーンズ時代だった2020年、当時もフューチャーズチーム内で先輩が後輩に暴行を加え、罰を与えたことがある。彼らは当時、後輩として先輩の理不尽かつ誤った行為に耐えなければならなかった。

そして時間が経ち、彼らは“加害者”に返信した。劇的と言えば劇的だが、悪い方の劇的だ。3年の歳月の間に一体何があったのだろうか。

SSGランダースの選手たち

フロントはもちろん、1軍および2軍のコーチングスタッフも「どうやってチームをより強くするか」をめぐって頭を悩ませる。こればかりは考えるだけでも忙しい。

そんななか、予期せぬアクシデントがチーム内で発生する。その件で誤るのに忙しい。本来はやらなくても良いことが次々と発生する。球団イメージは悪くなるばかりで、マイナス要素だらけだ。

先輩の“面子”は後輩を殴ったからといって保たれるわけではない。模範的な生活を送り、優れた実力を発揮してこそ、自然に権威が生まれるものだ。

今回暴行を加えた先輩たちは、どんなことを考えているのだろうか。ただ軽はずみの出来事と考えているならば本当に大変だ。

(構成=ピッチコミュニケーションズ)

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