「勉強するアスリート」を作るという韓国政府指針の下、選手たちの練習量は不足し、経験を積める舞台も減少。授業時間を稼ぐために、机上で無意味な時間を過ごすことが多くなった。
だが、アマチュア指導者たちは依然として勝利に傾倒し、基本的な技術よりも勝利至上主義を注入したりもしたのだが、これは練習量不足とも関連がある問題だ。練習の方向性も基礎以外に集中せざるを得ないからである。ほかにも、成績だけで指導者たちを評価する風土、劣悪な処遇なども問題点の一つだ。
日本にもアウトライアーは存在する。二刀流を完璧にこなしている大谷翔平、160km超えの剛速球を軽々と投げる佐々木朗希などは、日本でも優れた才能と評価されている。
しかし、彼らの他にも150kmを軽く投げる投手があちこちに存在するほど層は厚い。
今回の日韓戦でも、先発のダルビッシュ有を相手に3得点で打ち崩すことに成功したが、2番手の今永昇太の速球に面食らい、逆襲に失敗。日本にとっては今永のような投手は「アウトライアー級」ではないが、韓国では特別な選手と評価される。
現在の韓国が望むのは、大谷でも佐々木でもなく、今永のような投手だ。
というのも、彼のようなクラスの選手が一人出てくるだけで、球界全体の競争力を一気に引き上げることができる。しかし、いざ出てきたとて、現在の韓国では育成できるか疑問でもあるのだが。
昨年、韓国プロ野球で打撃5冠、MVPを獲得した天才打者のイ・ジョンフでさえも、「初めて見るボールを打った」と日本との格差に挫折したほど。
錯覚から目覚めた韓国。これからは自覚して反省し、どれだけ変化できるか重要になった。果たして、韓国球界は骨身を削る変化で進歩できるのだろうか。今こそ根本的な改革に着手する時だ。
(記事提供=OSEN)