韓国代表が、宿命の“日韓戦”で二兎狩りに乗り出す。
パウロ・ベント監督率いる韓国代表は、本日(7月27日)19時20分に愛知県の豊田スタジアムでキックオフするE-1選手権の最終戦で、日本代表と対戦する。
これに先立ち、韓国は中国と香港をいずれも3-0で下し、2勝を収めた。一方、日本は香港に6-0で大勝したものの、中国とは0-0の引き分けに終わり、1勝1分にとどまっている。
このため、日本は勝利が絶対条件だが、韓国は日本戦を引き分け以上で終えれば優勝が決まる。「負けなければ良い」という有利な立場だ。
前身の東アジアサッカー選手権、東アジアカップも含めて、韓国は伝統的にE-1選手権で強さを見せてきた。2003年の初回大会を皮切りに、2008年、2015年、2017年、2019年と計5回優勝している。優勝回数では次点の中国(2回)、日本(1回)を大きく離している。
また、直近では大会3連覇中であり、今回優勝できれば4連覇を達成することになる。
E-1選手権は国際Aマッチ期間外に行われるため、欧州組を招集できず、国内組中心の実質“1.5軍”で戦う大会だ。ただ、参加国がみな同じ条件で優勝を争うだけに、成果を切り下げる理由はない。
優勝はいつだって気持ちよく、意味のあることだ。しかも、相手が宿敵の日本であるならば、勝利すべき名分はより明確だ。
ベント監督は、韓国・釜山(プサン)で行われた前回の2019年に続き、2大会連続での優勝に挑む。これまでのE-1選手権で、2大会連続で優勝を達成した韓国代表監督はいなかった。それだけに、韓国代表を長く率いるベント監督が、初記録の主人公となれる。
優勝と同程度に重要なのが、原石の発掘だ。
実際、今大会は結果を最優先するというより、“ニューフェイス”を発見することにより意味がある。
ベント監督は、カタールW杯本大会が4カ月後に迫った現時点で、韓国代表で活用できる新戦力を探している。
W杯のエントリーが23人から26人に増えたことで、ベント監督はより多くの選手をカタールにつれていけるようになった。
現在までに主力クラスのエントリーはある程度固定されてきただけに、E-1選手権はバックアップメンバーの競争力を確認する舞台として活用されている。
これまでの2試合でも収穫はあった。2003年生まれのMFカン・ソンジン(19、FCソウル)をはじめ、MFイ・ギヒョク(22、水原FC)、MFコ・ヨンジュン(21、浦項スティーラース)、MFキム・ドンヒョン(25、江原FC)、DFチョ・ユミン(25、大田ハナシチズン)など、代表歴の浅い選手が良い姿を見せた。なかには、期待以上の活躍を見せた選手もいた。今大会での活躍が、W杯のエントリーに影響を及ぼすかもしれない。
ベント監督は今大会、可能な限り多くの選手に出場機会を与え、一人ひとりのパフォーマンスをチェックしている。ただ、“日韓戦”では初戦の中国戦に出場したメンバーを主軸に、最適なベストイレブンを構築する可能性が高い。
因縁のライバル対決へ、韓国代表は最精鋭の11人で戦う見通しだ。
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