韓国プロサッカー連盟(以下、連盟)は8月11日、ソウル新門路(シンムンロ)のサッカー会館で2025年度第4次理事会を行った。
今回の理事会では、金海(キメ)・龍仁(ヨンイン)FC・坡州(パジュ)のKリーグ会員加入承認、また軍服務選手の所属チーム移籍形式を「期限付き移籍」から「出場同意」に変更するなどの案件を審議・議決した。
金海FC 2008、龍仁FC、坡州市民サッカー団のKリーグ会員加入が承認された。
金海FC 2008は今季K3リーグで3位に位置する強豪で、2024年に竣工された最新のスタジアムを保有している。今季K3リーグ開幕戦では8677人が来場し、K3リーグ単一試合における最多観客数を記録するなど、地域住民の多くの関心を集めている。
クラブは今年1月に財団法人を設立し、Kリーグ加入に向けた準備を本格的にスタート。6月の会員加入申請時には市議会議員全員がKリーグ加入を支持する署名を行うなど、プロ化への強い意志を示してきた。
金海FC 2008の加入が確定すれば、2011年に設立された光州(クァンジュ)FC以来15年ぶりに、南部地域を本拠地とする新クラブが誕生する。
龍仁市は今年3月にイ・サンイル市長がプロサッカーチームの設立を宣言し、4月に市議会がプロサカーチームの支援条例を制定。最近では、Kリーグ複数クラブで指導歴を持つチェ・ユンギョム氏を監督、元韓国代表のイ・ドングッ氏をテクニカルディレクターとして招へいした。
龍仁は2001年設立の龍仁市サッカーセンターを基盤に、事務局と世代別ユースシステムを整備。本拠地となる龍仁ミルスタジアムはW杯最終予選やAFCチャンピオンズリーグを開催するなど、国際大会を実施できるレベルの施設と評価されている。
坡州市民サッカー団は2012年からK3リーグに参加し、2022年には準優勝。かつて韓国代表の専用トレーニング施設だった坡州NFCをクラブハウスとして使用している。
坡州NFCは天然芝グラウンド6面、人工芝グラウンド1面、宿泊棟75室、トレーニング施設などを完備。プロチームのクラブハウスはもちろん、ユース育成や外部への貸出による収益事業にも活用できる。
坡州市民サッカー団の会員加入が確定すれば、これまでプロサッカーチームのなかった京畿(キョンギ)北部圏において、Kリーグ活性化の拠点となる役割を果たすものときたいされている。
連盟事務局は今回の理事会を控え、△事業計画書、△インフラ、△地方自治体の意志および地域社会の関心度、△ホームタウンの競争力、△自治体の財政状況、△市場規模など、6分野に41の細部項目が含まれた会員加入適正評価を実施し、その結果を理事会に提出した。
3クラブすべてが適正評価を受けたなかで、理事会は△金海・龍仁・坡州すべて人口50万人以上の大都市である点、△自治体の年間予算規模が2~3兆ウォンで財政安定性が期待できる点、△ホームスタジアムとサッカーインフラが整っている点、△事業計画書の完成度と妥当性が十分な点などを考慮し、3クラブともにKリーグに参加できる条件を整えたと判断した。
3クラブのKリーグ会員加入は、来年1月に行われる定期総会で最終承認手続きを踏む。3クラブすべて会員加入が確定すれば、2026年シーズンのKリーグ2は計17チームが参加することになる。
選手が軍服務のため金泉尚武(キムチョン・サンム)などに所属チームを変更する際、選手の移籍形式を「期限付き移籍」から「軍服務選手出場同意」に変更することで決定した。
これは、FIFAの規定で1クラブが貸し出し・受け入れできる期限付き移籍選手数(最大6人)に軍服務選手を含めないようにする措置だ。
これに伴い、従来の「軍選手標準期限付き移籍契約書」も、「軍服務選手出場同意書」に変更される。
(文=ピッチコミュニケーションズ)
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