韓国Kリーグ伝統のダービーマッチである“スーパーマッチ”で、水原三星(スウォン・サムスン)ブルーウィングスのファンがFCソウルのファンを集団暴行したとし、物議を醸している。
Kリーグを管轄する韓国プロサッカー連盟は、今回の件を賞罰委員会に付託するかどうかを近日中に決定する予定だ。
6月19日、水原ワールドカップ競技場でKリーグ1(1部)第16節の水原三星対FCソウルが行われた。1万2922人の観客が来場したこの試合は、アウェーのFCソウルが1-0で勝利を収めた。
今回で通算97回目の開催、「Kリーグで最も熾烈なダービーマッチ」と呼ばれる“スーパーマッチ”なだけに、両チームの応援の熱気は激しかった。
しかし、スタジアムの外ではファン同士のトラブルが発生した。試合前、水原三星のユニホームを着たファンと見られる集団が、FCソウルのユニホームを着た一人のファンに対し集団暴行を加える場面が捉えられたのだ。
当時は暴行を受けたFCソウルのファンがユニホームを脱ぎ、逃げ去ったことでその場は終結した。ただ、SNSやネット上のコミュニティを通じて映像が拡散されたことで議論が広がった。
何より、映像では周囲に水原三星のファンが多くいたにもかかわらず、集団暴行を制止するはおろか、応援歌を歌ったり両手を広げたりするなど、歓呼している様子が映し出されていただけに、その衝撃は大きかった。
FCソウルのサポーター集団「SUHOSHIN」は、公式SNSを通じて「(暴行と)関連した内容をクラブに伝え、水原三星にも正式に確認要請を伝える予定だ。クラブと法的措置を執る予定であり、アジアサッカー連盟(AFC)にも抗議メールを送った」と明らかにした。
一方、水原三星の関係者は「(暴行が発生した)その場で当事者が謝罪したものと把握している。被害者であるFCソウルのファンの両親にも謝罪をし、終了した。再発してはならないことだと思う」とコメント。
「ただ、(今回の集団暴行は)スタジアム内ではなく外で行われたことだ。そのため、クラブレベルで何らかの措置を執ったり、公式立場を出したりすることは難しいのではないだろうか」と見解を示した。
これらについて韓国プロサッカー連盟の関係者は、「関連の映像を確認し、(集団暴行があったことを)認知している。クラブの懲戒措置に関しては“観衆の騒擾事態”というのが賞罰規定にある。(今回の一件が)騒擾事態に該当するかどうかを判断しなければならない」とし、「また、当該の状況が発生した場所が、クラブの管理責任の範囲に含まれるかを考慮しなければならない。連盟事務局で判断することになる。近日中にも賞罰委員会に付託すべきかどうかを決定する」と伝えた。
また、「スタジアムの外だとしても、実際にクラブが運営していたり、人員が配置されていなかったりしなければならなかった場所がある。そのような場所はクラブに責任が及ぶところ」と説明した。
最後に、加害者への懲戒に対しては、「連盟が加害者に直接懲戒を下すことはできない。ただし、クラブが(加害者に)懲戒を下すよう、要求または指示をすることはできる」と付け加えた。
なお、ファンがトラブルを起こした水原三星は、名古屋グランパス所属の元日本代表MF齋藤学(32)の加入が噂されている。
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