韓国Kリーグ版マスコット総選挙の「マスコット班長選挙」で3年連続1位に選ばれた水原三星(スウォン・サムスン)ブルーウィングスが、故・朴正熙(パク・チョンヒ)元大統領の写真を“合成使用”したことで物議を醸している。
Kリーグで4度、FAカップで5度の優勝を誇るKリーグの名門・水原三星は5月16日、クラブ公式SNSを更新。
モノクロで投稿された画像を見ると、朴正熙元大統領の顔部分にクラブのマスコット「アギルレオン」の顔が合成され、「私の一生、Kリーグの栄光を偲んで」「2022.5.16 三代班長 アギルレオン」と綴られていた。
この日は「マスコット班長選挙」の結果発表日だったが、投稿には多くの非難が殺到した。
2020年の初開催から今年で第3回目となるKリーグの「マスコット班長選挙」は例年以上に高い人気を誇っていた。1・2部全23クラブが全力でマスコットのPRに乗り出し、SNSや試合当日のスタジアム内を通じて積極的なアピールを行ったのだ。
「マスコット班長選挙」はこれまでも、Kリーグで特にマーケティング活動に集中される期間として大きな反響を得ていた。ただ、今年は新型コロナウイルス感染症対策の緩和で入場制限や声出しが解禁されたことにより、例年以上に高い注目を浴びていた。
それだけに、前出の水原三星の投稿は、「マスコット班長選挙」の熱狂ぶりに水を差すことになった。
というのも、投稿がなされたちょうど61年前の1961年5月16日は、当時少将だった朴正熙元大統領主導による陸軍士官学校8期生出身の軍人たちが韓国でクーデターを謀議し、政権を掌握した「5.16軍事クーデター」の日で知られているからだ。
そのような日に、首謀者である朴正熙元大統領の画像を使用した投稿を行ったため、多くのサッカーファンが水原三星を激しく非難した。
結局、水原三星は当該の投稿を削除。併せて謝罪文を掲載し、「5月16日、クラブSNSに掲示されたマスコット班長選挙当選イメージにより、クラブを愛してくださる多くの方々に深い心配をおかけした部分について謝罪申し上げます。クラブは今後、SNS運営時により一層厳格な基準と徹底した検討を通じて、このようなことが絶対に再発しないよう万全を期することを約束します」と再発防止を約束していた。
コメント欄では、「上手く行っていたのにどうして怒られるようなことをするのか」「民主主義の花とも言える選挙の当選を知らせる投稿で、その民主主義を毀損した人間をパロディするのか」「誰の頭から出たアイデアなんだ」「政治と絡めたことは頼むからしないでくれ」といった反応が見られた。
水原三星のマスコット「アギルレオン」は、今回の第3回「マスコット班長選挙」において、3万6505票の得票数で第1回から3年連続となる1位に選出。選挙名にもある“班長(優勝マスコット)”の座を見事に獲得していた。ただ、今回の誤ったSNS投稿によって、3年連続1位の快挙に泥を塗ることになってしまった。
(記事提供=OSEN)
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