最近、韓国放送通信委員会から“条件付き再承認”の許可を受けた放送局TV朝鮮側が、「言論の自由を深刻に侵害した」と反発して騒動となっている。
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李明博(イ・ミョンバク)政権の庇護の下、2011年に開局したTV朝鮮は、数多くの歪曲報道や偏向報道で問題視されてきただけに、“再承認”が下ったこと自体も不合理だが、その“条件付き再承認”に対して不当と声を上げたため、大衆の怒りを買っている。
TV朝鮮と衛星チャンネル「チャンネルA」の再承認がなされた後、韓国大統領府の国民請願掲示板には「放送の公的な責任を放棄し、メディアであることを放棄したチャンネルAとTV朝鮮の再承認を取り消してください」との請願が上がり、計25万人もの署名が集まった。
先立って韓国放送通信委員会は4月20日、TV朝鮮とチャンネルAに対して“条件付き再承認”を決議した。再承認を受けるためには1000点中650点を満たす必要があるのだが、TV朝鮮は653.39点、チャンネルAは662.95点とギリギリの通過だった。
韓国放送通信委員会は、TV朝鮮が重点審査事項である「放送の公的責任・公正性の実現」の項目で基準点を超えなかったとし、「放送の公的責任および公平の観点から重大な問題が明らかになった場合、再承認を取り消すことがある」という条件をつけて、3年間の“条件付き再承認”を決定した。
それに対してTV朝鮮記者協会は4月21日、「はたして放送通信委員会の条件付き再承認は公平なのか」というタイトルの声明を発表した。
声明を通して「TV朝鮮が3年前に受けた再承認の条件を忠実に遵守したにもかかわらず、放送通信委員会と再承認審査委員会が一部の市民団体の意見を土台にTV朝鮮の公正性を問題視したことは、納得し難い」とし、「政権の口に合う放送は公正で、政権の口に合わない放送は不公正か」と主張した。
彼らは「大多数の先進国は、放送審議を政治的な影響力から自由である自律審議システムで運営している。特にメディアの公正性を政権が裁断し、報道機関に極端な制裁を加えることは、民主主義国家ではありえない」とし、「TV朝鮮の記者たちは前・現政権を選ぶことなく、権力の監視者の役割に忠実であったし、事実報道のために努力してきたと自負する」と主張した。
TV朝鮮は2011年、当時ハンナラ党代表だった朴槿恵(パク・クネ)元大統領の出演画面に「蛍光灯100本を灯したようなオーラ」というテロップをつけ、話題を集めたことがある。
そのテロップは現在もギャグの素材として使用されるほど有名になった。
2013年には、5.18光州民主化運動当時、北朝鮮軍の大隊が降りてきたという主張を放送し、遺族と関連団体から激しい抗議を受け、放送通信委員会から懲戒処分を受けた。
TV朝鮮は放送通信委員会から毎年、最も多く懲戒を受ける報道機関のひとつで、誤報、出まかせ、偏向報道を理由に、2014年13件、2015年11件、2016年8件の法定制裁を受けている。
今年3月4日にも、盧武鉉(ノ・ムヒョン)財団のユ・シミン理事長がKBSの選挙放送に出演して「5000万ウォン(約500万円)の出演料契約を結んだ」との誤報を積極的に報道し、放送通信委員会から行動指導の措置を受けた。
そんな現状でありながら“条件付き再承認”に不満を抱くTV朝鮮に対して、ネット上では「公正な記事を一度でも出したことがあるのか」「お前たちが反論したら笑われるとは思わないのか」「記者の口に合う偽ニュースは記事なのか」といった声が上がった。
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