バルセロナ下部組織出身の元韓国代表FWイ・スンウ(24、水原FC)が、Kリーグ・デビューを楽しみに待ちわびている。何より、因縁のダービーマッチでの必勝を強く誓っている。
京畿道(キョンギド)水原(スウォン)市出身のイ・スンウは、幼い頃からFCソウルと水原三星(スウォン・サムスン)ブルーウィングスによるダービー、“スーパーマッチ”を観て育ってきた。
Kリーグ屈指の人気を誇る両チームが激突するスーパーマッチは、さまざまな興行要素とストーリーで韓国サッカーをけん引してきた。
近年は両チームの低迷で以前よりも熱気は弱まっているものの、ファンは「スーパーマッチだけは必ず勝たなければならない」という強いライバル意識を抱いている。
イ・スンウもその中の一人だ。故郷・水原のチームに対する愛情を人一倍持っている。だからこそ、欧州からKリーグに“Uターン”した今回、新天地に地元の水原FCを選んだ。
去る2月14日に行われたKリーグ1(1部)開幕メディアデーで、水原FCの選手代表として出席したイ・スンウは、水原への並々ならぬ愛情を表現した。
メディアデーの場で、“必ず勝ちたいチーム”にFCソウルを挙げたイ・スンウ。
「リーグを戦う過程で順位が下がることもあれば、上がることもある。それでも、FCソウルには必ず勝ってみせたい。幼い頃からスーパーマッチを観て成長してきた」とし、「水原三星のファンとして(水原三星ホームの)水原ワールドカップ競技場をよく訪れたが、FCソウルが勝つたびに心が痛かった。たくさん泣いたこともあったし、気分を悪くした記憶もある。自分が直接プレーすることになっただけに、FCソウルだけには必ず勝ちたい」と意気込みを伝えた。
そんなイ・スンウをはじめとする攻撃陣の補強を通じて、キム・ドギュン監督はチームに昨季以上の得点力を期待している。
水原FCは昨季、全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータース(71ゴール)、蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ、64ゴール)に続き、Kリーグ1で12チーム中3番目に多い得点数(53ゴール)を記録した。
その中心には、得点ランキング2位(18ゴール)で年間ベストイレブンに選ばれた元南アフリカ代表FWラルス・フェルトワイク(30)と、アシストランキング2位(10アシスト)のブラジル人MFムリロ・エンリケ(27)がいた。
そんな2人がけん引した攻撃陣には、瞬発力に優れるイ・スンウのほか、新たにFWキム・ヒョン(28)も加わった。
過去に栃木SCでもプレー経験のあるキム・ヒョンは、仁川(インチョン)ユナイテッド所属の昨季に29試合7ゴールの活躍を披露。192cmの長身を生かしたポストプレーのほか、繊細なボールコントロール、連係プレーに強みを見せる選手だ。
そのほか、元セレッソ大阪、アビスパ福岡のFWヤン・ドンヒョン(35)は昨季30試合8ゴールと得点力が健在。フィンランド代表MFウルホ・ニッシラ(25)も今季から新加入し、攻撃陣の脅威はさらに増している。
キム・ドギュン監督は「昨年に良かった攻撃力を上手く維持すべきではないかと思う。フェルトワイク、ムリロ、そして今回合流したイ・スンウ、キム・ヒョン、さらにはウルホ・ニッシラまで、全員が攻撃面で力をもたらしてくれると思う」とし、「フェルトワイク、ヤン・ドンヒョン、キム・ヒョンの高さもチームの強さになるはずだ」と伝えた。
Kリーグ“Uターン”以降、韓国国内で多くのスポットライトを浴びているイ・スンウ。注目を一身に集めているだけに、ピッチ上で優れたパフォーマンスを見せつけなければならない。
「僕はKリーグの舞台に初めて立つ選手。素晴らしい監督、チームメイトとともに戦いながら多くのことを学び、発展できるシーズンになったら嬉しい。6強プレーオフに進出して優れた成績、パフォーマンスで応えることが目標だ」というイ・スンウは、最後に「FCソウルとの3試合はすべて勝利を掴みたい」と覚悟を伝えた。
イ・スンウが所属する水原FCは、本日(2月19日)行われる2022シーズンのKリーグ1ファーストゲームとなる開幕戦で、アウェーの全州(チョンジュ)ワールドカップ競技場で全北現代と対戦する。試合は14時キックオフ予定だ。
■バルセロナ下部組織出身の韓国人FW、23歳の若さで現役引退
前へ
次へ