「韓国でともにするとは…」
横浜F・マリノスからレンタル移籍で蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)に加入した元日本代表MF天野純(30)が、ユース時代の“師匠”の一人である池田誠剛コーチと韓国の地で再会できたことに感慨を明かした。
現役時代にベルマーレ平塚(現・湘南ベルマーレ)、柏レイソルで活躍し、現在は蔚山現代の指揮官を務めるホン・ミョンボ監督は、自分と縁のある日本人スタッフを今冬に招へいした。
それが、2021年までサンフレッチェ広島のフィジカルコーチを務めていた池田誠剛氏だ。
池田氏は、ホン・ミョンボ監督の本格的な指導者生活の第一歩となった2009年のU-20韓国代表監督時代、初の外国人フィジカルコーチとして韓国の地を踏んだ。ホン・ミョンボ監督が連れてきたスタッフとして注目を集めた池田氏は、ホン・ミョンボ監督が重視する選手の強靭な体力と効率的なコンディション管理に重要な役割を果たした。
以降、ホン・ミョンボ監督がU-23韓国代表、韓国A代表を率いた際も必ずコーチとして帯同し、2009年U-20W杯から2010年広州アジア大会、2012年ロンドン五輪、2014年ブラジルW杯まで、長い期間をホン・ミョンボ監督とともに過ごした。
そして今回、蔚山現代の首席コーチとして、ホン・ミョンボ監督と再会することになった。
そんな池田氏は、蔚山現代入閣にあたりホン・ミョンボ監督に天野の獲得を積極的に薦めたという。
実際、池田氏は天野のことについて非常に詳しい人物だ。というのも、池田氏がかつて2004年に横浜FMでフィジカルコーチを務めていた際、天野が横浜FMユースのU-15チームでプレーしていたからだ。
「天野はユース時代から注目していた選手」と語る池田氏は、「非常にしっかり成長した。頭が良く、賢く試合を読むことができる選手だ」と高く評価。
また、本紙『スポーツソウル』の「天野を獲得する過程でホン・ミョンボ監督に伝えた言葉は何か」という質問に対しては、「攻撃の中心となる賢い選手として、蔚山現代にとって良い戦力となるだろう。フリーキックの能力に優れていることも言及した」と明らかにした。
天野も池田氏との再会について、「18年ぶりに池田コーチと韓国でともにするとは思わなかった。素晴らしい経験を持っていて、実際に結果も出した方なので、多くのアドバイスを受けたい」と語った。
蔚山現代が日本人選手を獲得したのは4年ぶりのことで、天野が歴代5人目。過去には2012年にMF家永昭博(35、川崎フロンターレ)、2013~2016年に増田誓志(36、引退)、2017年にFW阿部拓馬(34、FC琉球)、2018年にFW豊田陽平(36、ツエーゲン金沢)が在籍した。
はたして、天野は蔚山現代の17年ぶりリーグ優勝に貢献することができるのか。久しぶりの再会となった池田氏とともに、今シーズンの活躍ぶりに注目したいところだ。
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