Kリーグ1(1部)の蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)に所属する韓国代表FWイ・ドンジュン(24)が、ドイツ・ブンデスリーガのヘルタ・ベルリンに移籍する見通しだ。
韓国サッカー協会(KFA)は1月27日(日本時間)、カタールW杯アジア最終予選第7戦のレバノン代表戦(1-0で勝利)の試合後、「イ・ドンジュンは本人の要請により、ドイツクラブ移籍のメディカルチェックを受けるため、チームと別日程でドイツに出国する予定だ」と明らかにした。
イ・ドンジュンはメディカルチェックを受けた後、30日午前にカタールW杯アジア最終予選第8戦のシリア代表戦が行われるUAEのドバイに移動し、韓国代表に再合流する予定だ。
レバノン戦前から、イ・ドンジュンのドイツ移籍は韓国サッカー界で広く知られていた。
イ・ドンジュンは今年、兵役義務遂行のため、国軍体育部隊傘下のサッカーチームである金泉尚武(キムチョン・サンム)に入隊することを考えていた。ただ、蔚山現代を率いるホン・ミョンボ監督と面談の末、蔚山現代に残留することを決断していた。
そんなイ・ドンジュンには、昨年から欧州クラブの“ラブコール”が頻繁に届いていた。韓国代表はW杯最終予選に先立ち、1月15日にアイスランド代表(5-1で勝利)、21日にモルドバ代表(4-0で勝利)とトルコで国際親善試合を行ったが、そこで主要クラブのスカウトがイ・ドンジュンを視察するために現場に訪れていたという。
そのなかで最も積極的だったのが、冬の移籍市場締め切りを控えてウィングの補強に乗り出していたヘルタ・ベルリンだ。
これまでMF細貝萌(35、ザスパクサツ群馬)、MF原口元気(30、ウニオン・ベルリン)といったアジア人選手を活用してことがあったヘルタ・ベルリンは、“韓国産ウィング”のイ・ドンジュンに価値を見出した。
イ・ドンジュンは昨年、2部に降格した釜山(プサン)アイパークから蔚山現代に移籍した際、100万ユーロ(日本円=約1億2860万円)のバイアウト条項を契約に含めている。
今回、ヘルタ・ベルリンがその額を支払うことを決めたため、蔚山現代はイ・ドンジュンを手放さざるを得なくなった。クラブ間の最終合意が終わったのは27日午前だ。
蔚山現代としては非常事態だ。イ・ドンジュンは昨シーズン、ホン・ミョンボ監督が新たに就任してから一番先に獲得したフォワードだ。
スピードを生かした突破に決定力を兼ね備えたイ・ドンジュンは、ウィングはもちろんセンターフォワードでも活躍を披露し、Kリーグ1で32試合11ゴールを記録。チーム最多スコアラーになるとともに、リーグ年間ベストイレブンにも選出された。
昨季Kリーグ1で優勝に失敗し、今季再び優勝への挑戦に乗り出したホン・ミョンボ監督は、入隊を準備していたイ・ドンジュンに自ら残留を要請した。
しかし、欧州ビッグリーグのクラブから届いたラブコール、さらにはバイアウト条項の全額支払いで、イ・ドンジュンをこれ以上引き留める名分がなくなった。イ・ドンジュン自身、欧州に挑戦する意志が強かった。
このため、蔚山現代はウィングの緊急補強に乗り出している。最近では元浦和レッズのブラジル人FWレオナルド(24)を山東泰山からレンタルで獲得すると報じられたが、もう1枠の外国人枠を利用してウィングを補強するものとみられる。
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