韓国Kリーグが新型コロナウイルス感染症の恐怖に震えている。
Kリーグ1(1部)の仁川(インチョン)ユナイテッドは、1月20日時点で感染者が合計20人まで増加した。内訳は選手18人、スタッフ2人で、去る16日に初めて選手9人の感染が確認された後、現在まで11人が増えた状態だ。
現在、残りの人員は宿舎で隔離しているが、クラブは今後追加で感染者が発生するかどうかに神経をとがらせている。
なお、仁川には元ガンバ大阪、FC東京、名古屋グランパスのDFオ・ジェソク(32)、元柏レイソルのDFキム・チャンス(36)、元モンテディオ山形のGKミン・ソンジュン(22)、元V・ファーレン長崎、京都サンガF.C.、ファジアーノ岡山のFWイ・ヨンジェ(30)などの元Jリーガーが在籍している。
仁川の選手たちは、すでに新型コロナワクチンの接種を終えたにもかかわらず、クラスターを避けられなかった。こうした強力な伝播力からオミクロン株の疑いも出ている。最終結果が出ないことにはわからないが、可能性は高い。
実際、政府の中央防疫対策本部は、国内でオミクロン株が優勢種になると見ている。今後3週間以内にも全体感染の最大90%を占めるという観測も出ているほどだ。ワクチン接種を終えたとしても感染率は高い。Kリーグのチームとしては恐ろしいニュースだ。
開幕まであと1カ月という時点であるだけに、いつも以上に敏感だ。今後、チーム内で感染者が発覚すれば、少なくとも2週間はマヒ状態に入る。感染規模や時期によっては3週間、4週間とさらに増えることもある。
一緒に食事をして、寝て、練習をする選手は超濃厚接触者に分類されるため、ワクチンを接種して陰性と判定された場合でも隔離は避けられない。
陽性判定が出ること自体問題だが、それによってトレーニングそのものができなくなるという事実がより恐ろしい。シーズン中ならまだしも、今はチーム力を引き上げ、個々人が体を仕上げる重要な時期だからだ。
ただ、仁川のクラブ内では“むしろ早く被害を受けた方がましだ”という声もあるという。とある関係者は「2月以降に集団感染が出れば、開幕に向けた準備がまったくできなくなる可能性があった。むしろ、現時点で事態が起きて1月末から練習ができるということが不幸中の幸いな気がする」と語った。
実際、仁川は最低3週間は練習して、来る2月19日の開幕戦を迎えられる余裕がある。最悪の事態は避けたとも言える。
だが、仁川の事例によってKリーグチームは新型コロナにより敏感になった。とあるクラブではリハビリ中の選手が濃厚接触者に分類される事例もあった。世代別代表と練習試合をする予定だったが結局中止になった。
陰性判定を受けたにもかかわらず、初めから試合を行わないようにするほど、最大限気を使っている雰囲気だ。
また、韓国プロサッカー連盟が実施するメディアキャンプの参加者も、すべての人員が新型コロナ検査を受けて出席することにしている。開幕までもう1カ月しかない。良いコンディション、パフォーマンスを備えることも重要だが、何より新型コロナに感染しないことが最優先だ。
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