数字は嘘をつかない。
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韓国プロサッカー連盟が2013年から実施してきたKリーグ球団別選手年俸支給額の発表は、財政健全化のために導入された政策だ。
当時、反対の声が挙がったにもかかわらず、連盟の首長であるハン・ウンス副総裁は「リーグとクラブ運営の財政透明性を高め、競争力を強化するために、チームの年俸公開を決定した」として政策を押し付けて以降、9シーズンにわたって年俸公開は続いた。
これまで約10年間実施した年俸公開だが、事実上、効果はないというのがプロサッカー関係者たちの共通意見だ。政策とは関係なく、金を使うチームは使うという事実が、ここ数年明らかになっている。
昨年と比べると、全北現代（チョンブク・ヒョンデ）モータースと蔚山現代（ウルサン・ヒョンデ）、済州（チェジュ）ユナイテッド、浦項（ポハン）スティーラース、大邱（テグ）FC、江原（カンウォン）FC、水原（スウォン）FC、城南（ソンナム）FC、光州（クァンジュ）FCなど、Kリーグ1（1部）9クラブの人件費が上昇している。
前年比、済州が約28億ウォン（約2億8000万円）、水原が約27億ウォン（約2億7000万円）をさらに支出しており、大邱も約14億ウォン（約1億4000万円）をさらに使った。全北も約9億ウォン（約9000万円）を、浦項は約7億ウォン（約7000万円）が増額し、残りのチームも小幅ではあるが上昇している。
人件費が下がったチームは水原三星（スウォン・サムスン）ブルーウィングス、FCソウル、そして仁川（インチョン）ユナイテッドの3チームだけだった。
Kリーグ1全体の人件費は、2020年の約952億ウォン（約95億2000万円）から、2021年は約1073億ウォン（約107億3000万円）へと約121億ウォン（約12億1000万円）増加。選手の平均年俸も1億9917万ウォン（約1990万円）から2億4859万ウォン（約2480万円）へと5000万ウォン（約500万円）近く上昇した。
5年前の2016年は総額が約676億ウォン（約67億6000万円）、平均が約1億7655万ウォン（約1765万円）だったことを鑑みると、着実に上昇していることがわかる。
Kリーグのクラブも、新型コロナ禍の影響でもれなく困難を経験した。観客がまともに入場できず、マーケティング活動も活発にできなかったため、財政的に上向く要素はなかった。それでも、選手の人件費は大多数のチームが多く支出し、親企業や自治体を通じて予算は充当されたのだ。
厳しい環境にもかかわらず、この程度の指標が出せたならば、財政の透明性を高めて競争力を強化するという名目で始まった年俸公開政策は、失敗に終わったと言っても過言ではない。
あるクラブの関係者は、「結局、あの時反対していた声が合っていた。一部のクラブが人件費を下げることに参加しただけで、良い成績を出すことを望むチームは意志によって依然として規模を増やしたりもする。ほぼ10年もの間年俸を公開してきたが、何が残っているのか分からない」と懐疑的な声を漏らしている。
そして別のクラブの関係者も、「チーム年俸だけでなく、上位選手の名前や年俸まで出てくるのではないか。これは大変なことだ。事実、公開を続けることは、厳然たる個人情報の侵害だ。万が一、選手が法的に対応すれば問題になる可能性もある」とし、「そうしたリスクを甘受して公開したのであれば、何らかの効果が出なければならないのに、冷静に何の効果もないと思う」と冷ややかな感想を述べた。
年俸公開が事実上失敗に終わったなか、連盟は2023年から比率型サラリーキャップを導入し、クラブ経営の効率化に集中するという構想を打ち出した。
クラブの総収入のうち、選手たちの人件費支出額の比重が一定比率を超過しないように誘導する政策だという。ただ、これがどの程度の効果を出せるかは未知数だ。
そもそも、世界的スポーツのサッカー界で、自主的に相場を決めることはできない。近隣国の日本や中国だけでなく、中東、東南アジア、あるいはヨーロッパまで市場が広範囲にわたっているため、リーグ自らの年俸を形成するのは不可能に近い。
とあるクラブ関係者も、「財政健全化という方向性は理解できる。しかし、サラリーキャップのような強力な制度を導入しない限り、自ら相場を構築することは容易ではない。比率型サラリーキャップ制度も、細かく枠組みを作らなければ大きな効果は期待できない」という意見を明らかにした。
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