韓国氷上競技連盟が下した懲戒処分が不当だとして提起した効力停止仮処分申請が裁判所に棄却された女子ショートトラック韓国代表のシム・ソクヒ(24)に続き、中国国籍を取得した元男子ショートトラック韓国代表のイム・ヒョジュン(25)も、北京五輪出場が不可能となった。
中国氷上競技連盟は1月17日、来る2月4日から行われる北京五輪に出場するショートトラック代表メンバーを発表した。そこで、オリンピック出場のため中国に帰化したイム・ヒョジュンが脱落となった。
去る15日に終了した中国代表の選抜戦で、イム・ヒョジュンは男子500mと1500mに出場したが、最終3位に入ることができなかった。
イム・ヒョジュンは韓国代表として出場した前回の2018年平昌五輪で、男子1500m金メダル、500m銅メダルを獲得した。
しかし翌2019年、イム・ヒョジュンは鎮川(チンチョン)選手村でロッククライミングのトレーニングを行っている最中、壁に登った同性のチームメイトのズボンを下ろして体の部位を露出させたとし、強制わいせつで起訴された。
イム・ヒョジュンは当時、事実関係の大半を認めながらも「わいせつの意図はなかった」として容疑を否定したが、韓国氷上競技連盟は1年間の資格停止処分を下した。
ただ、その後イム・ヒョジュン側による連盟の懲戒処分に対する効力停止仮処分申請が受け入れられ、昨年6月に大法院(最高裁)で無罪を言い渡されたことにより、連盟の懲戒処分はすべて無効となった。
だが、イム・ヒョジュンは大法院の判決が下される以前に中国に帰化した事実が伝えられ、物議を醸した。「どんな手を使ってでも北京五輪に出場する」という過度な欲が招いた決断だったが、結局、国籍まで捨てる選択をしても、オリンピックの舞台を踏むことはできなくなった。
一方、韓国ではシム・ソクヒが韓国氷上競技連盟から下された資格停止2カ月の懲戒処分が不当だとし、裁判所に提起した効力停止仮処分申請が棄却され、こちらも北京五輪が不可能となった。
シム・ソクヒは昨年、とある韓国メディアを通じて、2018年平昌冬季五輪当時に代表チームのコーチと交わしたとされるメールが公開された。
そこには、ほかのコーチやチームメイトを露骨に非難し、八百長を疑わせるような内容が含まれていた。これは、シム・ソクヒに性的暴行を加えた容疑で懲役13年の実刑が確定した元韓国代表コーチのチョ・ジェボムが、裁判の過程で得た資料をメディアに流したものだ。
八百長疑惑に関しては、連盟調査委員会による調査の結果、明白な証拠が見つからなかったため、すでに疑惑が払しょくされた。ただ、メール公開によって明かされたコーチへの悪口やチームメイトを卑下する行為についてはシム・ソクヒ自身も認めた。
そこで、韓国氷上競技連盟は「スケート選手としての品位を著しく損ねた」とし、昨年12月のスポーツ公正委員会で2カ月の資格停止処分を下した。その後、シム・ソクヒは今年3日に効力停止仮処分申請をしたが、最終的に棄却され、北京行きは水の泡となった。
なお、シム・ソクヒは2014年ソチ五輪で金1、銀1、銅1のメダルを獲得、2018年平昌五輪でも女子3000mリレーで金メダルを獲得するなど、ショートトラックの“若きエース”として活躍していた選手だった。
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