DFキム・ヨングォン(31、ガンバ大阪)とFWファン・ウィジョ(29、ボルドー)の空白は感じられなかった。
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DFクォン・ギョンウォン(29、城南FC)とFWチョ・ギュソン(23、金泉尚武)の再発見は韓国代表最大の成果だ。
11月の2022年カタールW杯アジア最終予選2試合を戦う韓国代表メンバーが発表された当時は憂慮の視線が強かった。2018年のパウロ・ベント監督就任以降、攻守の中心選手として活躍していたキム・ヨングォンとファン・ウィジョが、どちらも負傷でメンバーを外れたからだ。
ベント監督は特に、リハビリ中にあったキム・ヨングォンの状態を最後まで確認していたが、結局は合流が叶わなかった。
ただ、いざ試合をしてみるとその心配と憂慮も杞憂だった。
まずは、チョ・ギュソンがファン・ウィジョの空白を埋めてみせた。
チョ・ギュソンは去る9月にA代表に初招集され、同月7日のレバノン代表戦先発出場でデビューを果たし、45分間プレーした。10月はシリア代表戦で途中出場から4分間のみプレーした。
そして今回の11月も、チョ・ギュソンはベント監督の選択を受けた。11日のUAE代表戦で先発出場したチョ・ギュソンは、後半31分にベンチに下がるまで自身の実力を発揮した。最前線で体を張ったポストプレーや積極的な守備参加、さらには2列目との連係プレーも光った。
17日のイラク代表戦でも、チョ・ギュソンは体を張って相手守備陣を苦しめ続けた。特に後半23分には、キャプテンのFWソン・フンミン(29、トッテナム)の国際Aマッチ通算30ゴール目となるPKにつながるファールも獲得した。
チョ・ギュソンは現在まで得点こそないものの、ファン・ウィジョと並ぶ韓国代表の新たなオプションとして急浮上を果たした。
クォン・ギョンウォンもフィジカルを兼ね備えた貴重な左利きのセンターバックとして、着実に代表に名を連ねてきた。
ただ、今回の2連戦を除けば国際Aマッチ出場は16試合にとどまり、前回の出場も昨年11月にまでさかのぼる。
それだけキム・ヨングォンの存在感が大きかったということだ。キム・ヨングォンはこれまで国際Aマッチ85試合に出場しており、DFキム・ミンジェ(25、フェネルバフチェ)とも優れたコンビネーションを発揮してきた。
このため、組織力と連携が重要な守備陣でキム・ヨングォンの不在は懸念が大きかった。しかし、クォン・ギョンウォンはキム・ヨングォンの代わりに黙々と自身の役割をこなし、11月の2連戦を無失点に抑える活躍で代表に貢献した。
特にUAE戦では、キム・ミンジェが後半途中に退くと、代わりに入ったDFパク・ジス(27、金泉尚武)とともに残り10分近くを無失点で乗り切った。クォン・ギョンウォンの活躍はキム・ヨングォンにとってまた新たな刺激材料となるだろう。
10大会連続W杯出場を目指す韓国にとって、“善意の競争”はチーム力をさらに強化するシナジー効果の発揮を期待できそうだ。
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