時差だけでなく、コンディション管理とも戦わなければならない。
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2022年カタールW杯出場に向けた韓国代表の旅程が本格的に始まった。アジア最終予選でグループAに入った韓国は、来る9月2日にソウルワールドカップ競技場でイラク代表、7日に水原ワールドカップ競技場でレバノン代表と対戦する。
パウロ・ベント監督が招集したメンバー26人中、22人の選手は去る8月30日から練習拠点のサッカー国家代表トレーニングセンター(NFC)に入所。
残る4人のFWソン・フンミン(29、トッテナム)、FWファン・ウィジョ(29、ボルドー)、FWファン・ヒチャン(25、ウォルヴァーハンプトン)、DFキム・ミンジェ(24、フェネルバフチェ)ら欧州組は、1日遅い31日に合流した。
日程が想像以上に詰まっている。31日に完全体となった後、9月2日の初戦までたった一日しか準備できる時間がない。イラク戦に備えた戦術練習の時間が非常に足りないのだ。
加えて、欧州組の主力は10時間以上のフライトを経て代表に合流しただけに、時差とコンディション管理が懸念されている。
特に、主将を務めるソン・フンミンは8月30日のプレミアリーグ第3節ワトフォード戦で先発出場し、87分間プレーした。試合では幻想的な直接フリーキックで今季2点目をマークしたものの、体力面だけ見れば負担になる日程であることは間違いない。
第2節のウォルヴァーハンプトン戦ではハムストリングの負傷が憂慮されただけに、ややもすればコンディションに無理をきたす恐れもある。
今夏にトルコのフェネルバフチェに移籍し、欧州組に生まれ変わった不動のセンターバックのキム・ミンジェも、30日のシュペル・リグ第3節アルタイSK戦で先発出場し、67分間プレー。現在まで2試合連続で先発出場を果たした。
これまで韓国Kリーグや中国スーパーリーグで活躍したキム・ミンジェだが、欧州組として代表戦に臨むのは今回が初めてなだけに、細心の管理が必要だ。
ファン・ウィジョも29日にリーグ・アン第4節ニース戦で先発フル出場を果たした。今夏の移籍市場では他クラブへの移籍が有力視されていただけに、最終的に残留が決定したとはいえ、誰よりも忙しい日々を送っていたことは間違いない。
昨シーズン終了後、ファン・ウィジョは6月のW杯アジア2次予選に続き、7月にはオーバーエイジ枠で東京五輪にも出場した。オフシーズンでまともに休息を取ることができなかっただけに、彼もコンディション管理に重点を置いているはずだ。
ソン・フンミン、ファン・ウィジョ、キム・ミンジェは、ベント監督体制の韓国代表において代替不可能な選手とされている。
キム・ミンジェはDFキム・ヨングォン(31、ガンバ大阪)とともにセンターバックのレギュラーを張る。彼らの活躍ぶりを考慮すれば、イラク戦、レバノン戦の2試合ともコンビで出場する公算が大きい。
特に、累積警告によってキム・ミンジェ抜きで戦ったアジア2次予選最終戦のレバノン戦では、相手に先制ゴールを奪われるなど苦戦を強いられたこともあった。
同じ1992年生まれのソン・フンミンとファン・ウィジョは、韓国代表で驚異的な連携を披露し、チームの得点源の役割を担っている。
本大会出場に向けたアジア最終予選序盤2試合の勝敗は、中軸を担う3選手の時差適応のコンディション管理にかかっているといっても過言ではない。
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