韓国Kリーグを代表する“低コスト・高パフォーマンス”クラブの大邱FCと、中国スーパーリーグが誇る“ビッグクラブ”広州恒大が対戦する。
大邱と広州恒大は3月12日午後7時30分(日本時間)、大邱銀行DGBパークでAFCチャンピオンズリーグ(ACL)グループステージF組第2戦を行う。両チームはいずれも先週のグループステージ第1戦を制しており、幸先の良いスタートを切っている。
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広州恒大は2011年から7年連続でリーグ優勝を達成しており、ACLも2013年と2015年に優勝した。2002年に創設された大邱は、昨年の韓国FAカップを制して、初めてACLに出場している。
市民クラブである大邱は、Kリーグのなかでも資金が潤沢なクラブとはいえない。大邱は昨シーズン、Kリーグ11クラブ(軍隊チームの尚州尚武は除く)のうち、年俸総額43億ウォン(約4億3000万円)で最下位を記録した。リーグ戦こそ7位に終わったが、韓国FAカップで優勝しながら、“コスパ”の良い成果を上げている。
大邱の今シーズンの予算は、前年比50億ウォン(約5億円)ほど増やした180~190億ウォン(約18億~19億円)と予想されている。それでもアジアの舞台に出場するクラブの予算としては、高くない水準だ。
一方の広州恒大は、天文学的な数字が行き来する中国スーパーリーグでも、投資額の規模で上位に属するクラブだ。
広州恒大は去る1月、ブラジル出身のFWパウリーニョを完全移籍させ、スペイン・バルセロナに移籍金5000万ユーロ(約62億7000万円)を支払ったことが明らかになった。またパウリーニョに約束した年俸も1400万ユーロ(約17億6000万円)に達する。
パウリーニョの給与だけで、大邱の年鑑予算に匹敵するわけだ。
中国スーパーリーグは最近、競争的な投資拡大による問題点が浮き彫りになってきた。
国家所有の銀行などの支援を受ける上海上港と北京国安などは、1シーズンに3000億ウォン(約300億円)以上、注ぎ込んだことが知られている。また中国屈指の大企業が投資している江蘇蘇寧と広州恒大も、強大な資金力を土台に多くの費用を使ってきた。
しかし中国サッカー協会(CFA)が今年から、中国スーパーリーグのクラブの年間投資額を12億元(約200億円)にする“上限”を新設し、選手の最高年俸にも“サラリーキャップ”を適用して1人当たり1000万元(約1億6600万円)以上、支給できないように釘を刺した。
新たな政策によって以前ほどの投資はできなくなった。それでも広州恒大など中国の有名クラブは、今年も200億円近い投資をすると見られている。
大邱は広州恒大を相手に、大邱銀行DGBパークで歴史的な最初のACLホームゲームを行う。シーズン序盤、勢いに乗っている大邱が“大物食い”となるか、注目される。
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