“日韓戦”控える韓国代表への選手派遣にKリーグ勢が複雑な理由「正直誇らしくも嬉しくも…」

今回ばかりは、A代表選出が嬉しいだけではないようだ。

【関連】日韓戦に挑む韓国代表を「1.5軍」といわざるを得ないワケ

サッカー韓国代表を率いるパウロ・ベント監督が3月15日に発表した“日韓戦”招集メンバー24人中、国内のKリーグでプレーする選手は全14人だった。

最も多く選手を派遣するのは蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)で、GKチョ・ヒョヌ(29)、DFキム・テファン(31)、DFホン・チョル(30)、MFウォン・ドゥジェ(23)、MFユン・ビッカラム(30)、MFイ・ドンジュン(24)の6人。次いでFCソウルからはDFユン・ジョンギュ(22)、MFナ・サンホ(24)、FWチョ・ヨンウク(22)の3人が招集された。

そのほか、水原(スウォン)FCからDFパク・チュホ(34)とDFパク・ジス(26)、光州(クァンジュ)FCからMFオム・ウォンサン(21)、江原(カンウォン)FCからDFキム・ヨンビン(29)。2部からも、慶南(キョンナム)FCのFWイ・ジョンヒョプ(29)が名を連ねた。

蔚山現代の選手たち

本来、所属選手の代表選出はそのチームにとって歓迎すべきことだろう。ところが、今回は雰囲気が少し違う。試合をアウェーの日本で行ううえ、韓国に帰国後は1週間の隔離期間を過ごさなければならないからだ。

特に、国際Aマッチ期間明けの4月3日にKリーグの試合を控える蔚山現代、FCソウル、江原FC、慶南FCらは、選手起用に影響が直に及ぶ。代表から帰ってきた選手が、隔離から解除されて直ちに試合に出場することは物理的、身体的にも無理がある。

なかでも、派遣選手が最も多い蔚山現代は困惑した様子だ。チームを率いるホン・ミョンボ監督が積極的に選手を代表に派遣する姿勢を見せていたとはいえ、主力選手が6人も選ばれるとはクラブも思わなかっただろう。

蔚山現代の関係者は「6人も選ばれて当惑しているのは事実だ。特に、ホン・チョルの場合は負傷から回復してまだ間もなく、正常なコンディションではない。ケガの再発の恐れもある。しかし、ホン監督が代表チームにとって必要な部分は積極的に助けると話していた。無事に選手が行ってくることを願うばかりだ」と述べた。

「Kリーグチームに少しは配慮を…」

偶然にも、Kリーグを4連覇中の王者・全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースからは1人も代表に選ばれなかった。

ベント監督はこれに関して「選手の所属チームは私の決めることではない」と、所属チームが選出に影響を及ぼしたわけではないと線を引いた。

また、全北現代の関係者も「我々が招集依頼を拒否したわけではない。ベント監督の選択ではないだろうか。我々もこれまで代表に多く選手を派遣していたチームだ。もし今回も所属選手が選ばれていれば、断ることなく派遣していたはずだ」と伝えている。

パウロ・ベント監督

そして、蔚山現代だけでなく、ほかのチームも代表派遣に戸惑いを見せている。

匿名を求めたとあるクラブの関係者は、「正直言って、今回代表に派遣することは誇らしくも嬉しくもない。だから、SNSにも(代表選出について)華やかに投稿しなかった。だからといって、招集を反対するわけにはいかない。ただ選手が無事に帰ってくることを願うだけ」と苦笑いした。

また別のクラブ関係者も、「(Kリーグを管轄する)韓国プロサッカー連盟を通じて招集への協力に関する話は聞いたが、韓国サッカー協会から直接聞くことはできなかった。ベント監督もこうした特殊性を考慮して、Kリーグチームへの感謝を述べたらどうだったろうか。Kリーグチームを少しは配慮してほしい」と、韓国サッカー協会レベルの配慮が足りないことを指摘していた。

前へ

1 / 1

次へ

RELATION関連記事

RANKINGアクセスランキング

PHOTO写真

TOPIC「BTS」特集