バレンシア内で現在、韓国代表MFイ・ガンイン(20)の立場が変化しつつある。
スペインメディア『スーペルデポルテ』は3月8日(日本時間)、シーズン序盤と比較してバレンシアが変わった点に着目した。現在のバレンシアは直近3試合で2勝1敗、勝ち点30を積み上げて20チーム中12位に浮上するなど、復調しつつある段階にある。
こうしたバレンシアの状況を受け、同メディアがスポットライトを当てたのがイ・ガンインだ。
「ほかの選手より目立つ選手がいる。それがまさにイ・ガンインだ」と伝えた同メディアは、「ハビ・グラシア監督はイ・ガンインを信頼している。最近の先発出場がこれを示している。イ・ガンイン自身、これまで見せられなかった創造性をチームにもたらしている」と、イ・ガンインの立場の変化について綴った。
実際、イ・ガンインはシーズン中盤まで出場時間が不規則だった。開幕戦で優れたパフォーマンスを披露したが、以降は先発の機会を得られず、後半からの途中出場が大半だったのだ。
今冬にはイ・ガンインがバレンシアの契約延長オファーを断り、退団も考慮しているとのニュースが伝えられたほどだ。
ただ、直近3試合で雰囲気は一変した。
イ・ガンインは、去る2月21日のラ・リーガ第24節セルタ戦で決勝点となる先制ゴールをアシストすると、この活躍が評価され、続く第25節ヘタフェ戦では先発フル出場を果たした(試合は3-0でヘタフェ勝利)。そして、3月6日の第26節ビジャレアル戦でも先発出場し、66分間プレーしている。
今シーズンに入り、イ・ガンインが3試合連続先発出場するのは異例のことだ。それだけに、グラシア監督の認識の変化が見て取れる。
パスや創造性などの攻撃面だけ見れば、イ・ガンインはチームトップクラスだ。20歳という年齢に合わない老練なゲームコントロール能力だけでなく、最近では前線からのプレスも積極的に行うなど、守備面でもチームに貢献している。グラシア監督も、攻守両面でチームに貢献するイ・ガンインを評価しているものとみられる。
最近では、バレンシアが再びイ・ガンインとの契約延長に動き出しているという。イ・ガンインとしても、現在のようにラ・リーガで安定して先発出場の機会を得られるのであれば、移籍にこだわる理由もなさそうだ。退団が確実視されていたイ・ガンインに、“残留”というまた新たな選択肢が増えた。
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