今季のKリーグでは監督“代行”がトレンドだった?12チーム中5チームに起きた異常事態

2020年11月11日 サッカー #Kリーグ

今季のKリーグでは監督代行体制が乱発していた。しかも、その結末のほとんどがバッドエンドだった。

今シーズンはKリーグの1部に属する12チーム中5チーム(大邱FC、仁川ユナイテッド、FCソウル、水原三星ブルーウィングス、釜山アイパーク)が代行監督の神輿を担ぎ、Kリーグ1の舞台で戦っていた。

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そのなかで、イ・ビョングン監督代行が率いた大邱FCのみが良い結果を残した。大邱FCは今シーズン開幕前に前任のアンドレ監督が去ったため、ヘッドコーチだったイ氏が監督代行の座に収まった。イ監督は歴代最高順位タイの5位でシーズンを終えたことによる手腕を評価され、11月6日に正式に監督就任を発表した。来シーズンから正式に指揮を取ることとなる。

残りの4クラブも監督代行が指揮を取ったものの、結果がついてこなかった。

仁川ユナイテッドと水原三星は正式な監督選びを後回しにした結果、成績が振るわなかった。仁川はシーズン序盤、深刻な不振に苦しめられていた。イム・ワンソプ監督が辞任したあと、イム・ジュンヨン代行体制が敷かれることとなったが、起爆剤とはなりえず不発に終わった。仁川は15試合で1勝もできず低迷していたが、シーズン途中に招聘したチョ・ソンファン監督のおかげで上昇気流に乗った。チョン監督は13試合で7勝1分5敗の成果を収め、なんとか1部残留を達成した。

水原も似たような状況だった。イ・イムセン監督が退いたあと、チュ・スンジン監督代行が指揮を取ったが、こちらも結果を出すことができなかった。火消し役として登板したパク・コナ監督がチームカラーをガラッと変えた影響か、8試合で4勝2分2敗の勝ち点14を稼ぎ、攻守両面で安定したチームへと変貌させた。

左からイム・ジュンヨン(仁川)、チュ・スンジン(水原)、パク・ヒョクスン(ソウル)、イ・ギヒョン(釜山)

FCソウルは“代行の代行”が指揮を取るという異例の事態となった。チェ・ヨンス監督の跡を継いだキム・ホヨン代行はそれなりの結果を出したが、クラブに将来を保証されなかったという理由で自らチームを去った。その後パク・ヒョクスン代行が、Kリーグ最大のダービーといわれている水原との“スーパーマッチ”を控えた大事な時期に、そのバトンを受け取ることとなった。パク代行が率いたソウルはかろうじて降格をまぬがれたが、シーズン最終戦で仁川に敗れるなど最後まで不安定なシーズンを送った。

釜山アイパークは、リーダーシップの欠如により昇格からわずか1年での再降格となった。昨シーズン1部昇格の功労者であるチョ・ドクジェ監督はシーズン途中で退任したため、イ・ギヒョン代行がチームを引き継いだが、シーズン終盤で2連敗を喫し惜しくも涙を飲んだ。

監督“代行”は文字通り、“代理として権限や職務を行う者”だ。あくまでもその場しのぎであって、根本的な解決策となりえない。来シーズンからは各チームとも正式な監督を決めたうえで、腰を据えてシーズンに望んでもらいたいものだ。

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