サッカーのアジアNo.1クラブを決めるAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)で、中国サポーターによる政治的行為が物議を醸している。
2月11日、中国・山東省済南市の済南オリンピック・スポーツセンターでは、中国の山東泰山と韓国の光州(クァンジュ)FCによるACLEリーグステージ第7節が行われた。
結果はホームの山東が3-1で勝利したのだが、勝敗以上に重大な問題が試合中に発生した。山東の一部サポーターが理解に苦しむ“政治的行為”をしたのだ。
中国現地メディアによると、山東の一部サポーターは試合中、韓国の全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領の顔写真を掲げたという。
全斗煥氏は1979年12月に「粛軍クーデター」を通じて韓国軍の実権を握り、翌1980年5月には民主化を求める学生・市民を武力で弾圧した「光州事件」を主導した人物だ。
この「光州事件」が起きた光州市こそ、まさに光州FCのホームタウンであるだけに、一部サポーターの行為は韓国国内でも即座に拡散され、大きく物議を醸した。
とある中国メディアは「山東はまたAFCから罰金を受けることになるだろう。光州に勝利を収めたにもかかわらず、問題の写真を掲げた」と報道。「問題の写真によって困難がある。また懲戒処分を受けることになった。現地で光州に対して嫌悪的な場面を演出したという評価が出ている」と伝えた。
中国サッカー界の情報筋は、「山東は現在、非常に多くの懲戒を受けている。したがって、今回の観客の行為で再び懲戒を受けることになるだろう。2000万ドル(日本円=約308万円)の罰金が科せられるはずだ」と説明した。
山東は昨年10月2日に行われたヴィッセル神戸とのACLE第2節で、自軍選手による神戸選手への危険なタックルをきっかけに両軍入り乱れる事態を巻き起こした。
これにより、アジアサッカー連盟(AFC)はチェ・ガンヒ監督に6試合のベンチ入り停止処分と罰金1万3000ドル(約200万円)、キム・ヒョンミン・アシスタントコーチに10試合のベンチ入り停止処分と罰金1万ドル(約150万円)、クラブに罰金5万6750ドル(約875万円)を課している。
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