かつてジュビロ磐田、サガン鳥栖、V・ファーレン長崎に在籍した元韓国代表FWペク・ソンドン(白星東/33)が、“日本の古巣”へ思いを伝えた。
11月27日、横浜国際総合競技場で行われたAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)リーグステージ第5戦では、横浜F・マリノスが浦項(ポハン)スティーラーズに2-0で勝利した。
浦項は3日前の23日にアウェイでリーグ最終節を戦い、横浜FM戦後には中2日の30日に蔚山(ウルサン)HD FCとのコリアカップ(旧FAカップ)決勝に臨む過密日程を考慮し、主力をほとんど帯同させず。ベテラン数選手を除き、メンバーの大半を普段は出場機会のない若手で構成した。
そのため、横浜FM戦は直近の試合から先発10人入れ替えという大胆なターンオーバーが敷かれていたわけだが、唯一、2試合連続で先発出場したのが元Jリーガーのペク・ソンドンだった。
「まずは若手をはじめ、試合に出場したすべての選手に本当にお疲れ様と伝えたいです。チームが望んだ結果を得られず残念ですが、選手一人一人としても、チームとしても何かを得られたような試合になったと思います」
横浜FM戦でキャプテンマークを巻いたペク・ソンドンは1991年8月13日生まれの現在33歳。2012年にジュビロ磐田でプロデビューすると、2016年までにサガン鳥栖、V・ファーレン長崎と在籍し、J1通算67試合3得点、J2通算45試合2得点を記録した。磐田ではMF山田大記(35)、鳥栖ではMF藤田直之(37)など、今季限りで引退するレジェンドともチームメイトだった。
以降はKリーグ2(2部)の3クラブを経て、昨年に浦項加入を通じて32歳でKリーグ1(1部)の舞台に初挑戦。昨季ACLは負傷のため1試合も出場できず、今回のACLEで自身初のアジアの舞台を戦っている。長崎時代の2016年以来、約8年ぶりに戦った日本で公式戦を彼はこう振り返る。
「韓国では今年、芝生の問題が取り上げられることが多かったので、そういった面でも、優れた環境でサッカーをできることがどれだけ良いかを改めて感じるきっかけになりました。何より、久しぶりに日本に来て、プレーをすることができて良かったです」
そんなペク・ソンドンは“日本の古巣”のことを現在も気にかけているようで、各チームの結果をチェックすることもあるという。「ジュビロは自分がプロとしての第一歩を踏み出したチームなので、当然、残留を果たしてほしい。鳥栖はJ2降格となってしまいましたが、力のあるチームですし、またJ1の舞台に戻って来られると信じています。長崎も、昇格プレーオフで良い結果を得られることを祈っています」と、それぞれのチームにエールを送った。
ミックスゾーンでは、鳥栖でともにプレーしたMF水沼宏太(33)と笑顔で再会を喜び合う姿も見せたペク・ソンドン。最後に磐田、鳥栖、長崎ら古巣サポーターやファンへの一言を求めると、感慨深い表情でこう語っていた。
「まだ自分のことを覚えているファンがいらっしゃるかはわかりませんが、まずは久しぶりにまた日本に来て試合をできたことがとても嬉しかったです。このような舞台で戦えることに、選手として感謝しています。自分たちのチームもそうですが、鳥栖、磐田、長崎も本当に重要な試合を控えていると思うので、それぞれがそれぞれの位置で最善を尽くして、お互いに望む結果を得てほしいです」
(取材・文=姜亨起/ピッチコミュニケーションズ)
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