パリ五輪金メダリストの“暴露”から始まった韓国バドミントン協会に対する韓国政府の調査で、「横領・背任の責任は避けられない」という中間発表がなされた。
文化体育観光部(以下、文体部)は9月10日、政府ソウル庁舎別館で韓国バドミントン協会の事務検査及び補助金点検状況の中間発表した。
調査のきっかけとなったのは、今夏のパリ五輪・バドミントン女子シングルスで金メダルを獲得したアン・セヨン(22)の“爆弾発言”だ。
当時、アン・セヨンは金メダル獲得直後のインタビューで、韓国バドミントン協会と代表の選手管理システムを批判するコメントを伝えていた。
この発言などを受け、文体部は調査団を通じて韓国バドミントン協会の制度改善、国家代表管理、補助事業点検、協会運営実態などについて調査している。文体部の調査は今後も行われ、今月末頃に最終結果を発表する予定だ。
調査の過程では、文体部のイ・ジョンウ体育局長が実際にアン・セヨンと会って意見を聴取したほか、選手団48人中22人と会っている。
文体部は中間発表で、「バドミントン協会がユニホームだけでなく、パフォーマンスに直結するラケット、シューズまでスポンサーの用品だけを使うよう強制している」と指摘した。
韓国バドミントン協会は理事会で、スポンサー契約締結において“シューズ”は除外する必要があるという意見開陳があったものの、会長の反対によって受け入れなかったという。
また、文体部は五輪、アジア大会の44種目のうち、パフォーマンスに直結する用品をどの選手にも例外なく使用を強制させるのはボクシングとバドミントンだけである点も付け加えた。
そして、いわゆる“ペイバック”騒動で知られた韓国バドミントン協会のキム・テッキュ会長の後援物品の背任・流用疑惑に対しては、横領・背任を言及した。
文体部によると、バドミントン協会は2023年に会長と公募事業推進委員長の主導で物品を購入し、協会職員に内緒で後援物品の支給契約を口頭で締結し、シャトルコックやラケットなど1億5000万ウォン(日本円=約1597万円)相当の物品を受領した。
今年もやはり、会長と協会事務局が主導し、スポンサー企業から約1億4000万ウォン(約1491万円)の後援物品を受け取ることで書面契約を締結した。
文体部は、協会がこのように受け取った後援物品を公式な手続きなく配布したと指摘した。
イ・ジョンウ体育局長は「受け取った物品を任意に配分したことが問題だ」とし、「基準がまったくなく、理事会や総会など公式的な機構で決まったこともない。実務者らから報告を受けたものでは、(キム・テッキュ会長は)横領・背任の責任は避けられない」と断言した。
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