パリ五輪・テコンドー金メダリストの韓国人選手が、相手が負傷した後も攻撃姿勢を崩さなかったことについて、「相手が棄権する前まで最善を尽くすのが礼儀」と説明した。
【写真】韓国人選手、記念撮影で日本の金メダリスト差し置いて前に…物議の一枚
8月8日(日本時間)、フランス・パリのグラン・パレで行われたパリ五輪・テコンドー男子58kg級決勝では、韓国のパク・テジュン(20)がアゼルバイジャンのガジム・マゴメドフ(24)の負傷による途中棄権で勝利し、金メダルを獲得した。
パク・テジュンは同階級で韓国発の五輪金メダリストとなった。これまでは2012年ロンドン五輪でイ・デフン(32)が獲得した銀メダルが最高記録だった。
何より、前回の2021年東京五輪で“金メダルゼロ”の屈辱を味わった韓国テコンドーの悔しさを払しょくする勝利だ。
決勝では、パク・テジュンが、第1ラウンドからマゴメドフの胴体への攻撃を成功させ、機先を制した。その後、第1ラウンド終了まで約1分程度の時点で、マゴメドフが蹴りの途中に左脛の部位の痛みを訴えた。
マゴメドフは休憩後、再びマットに戻ってきたが、パク・テジュンに傾いた流れを覆すことはできなかった。
第1ラウンドを9-0で制したパク・テジュンは、第2ラウンドでも13-1と圧倒し、早々に勝機を固めた。
そんななか、第2ラウンドの終了1分前、左太もも付近に蹴りを受けてよろめいたマゴメドフはパク・テジュンに背を向けると、左足の痛みに悶えながら逃げようとした。すると、この隙を狙ってパク・テジュンはマゴメドフの背中に再び蹴りを入れ、足で強く押し倒した。
このとき、観客席からはパク・テジュンに対するブーイングが飛んだ。負傷を抱えた選手に対し、あまりに執拗に蹴りを入れたのではないかと言う意味のブーイングだった。
結局、追撃を受けたマゴメドフはプレーを続行できず、最終的にパク・テジュンの勝利となった。もっとも、表彰式では足を痛めたマゴメドフにパク・テジュンが肩を貸すなど、当の選手たちはお互いをリスペクトし合う姿が見られた。
なお、パク・テジュンは金メダル獲得後のインタビューで、「試合では、相手が棄権する前まで最善を尽くすことが相手に対する礼儀だと学んだ」と、当時の自身の行動について説明していた。
■【写真】韓国人選手、記念撮影で日本の金メダリスト差し置いて前に…物議の一枚
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