「金のスプーン」どころか、「ダイヤのスプーン」をくわえて生まれたアイドルだ。
韓国の財閥「新世界グループ」のチョン・ユギョン会長の長女であり、新世界グループ総括会長イ・ミョンヒの外孫であるムン・ソユンが、K-POP界に挑戦状を叩きつけた。
活動名は「アニー(ANNIE)」だ。
所属事務所のTHEBLACKLABELは最近、ムン・ソユンが新しい男女混成グループ「ALLDAY PROJECT」のメンバーとして、6月23日にデビューすると発表した。
このグループは、THEBLACKLABELの代表プロデューサーであるTEDDYが自らローンチするアイドルグループで、ムン・ソユンのほか、ターザン、ベイリー、ウチャン、ヨンソの5人で構成されている。
BIGBANG、2NE1、BLACKPINKといったグループの音楽を手がけたTEDDYが、ガールズグループ「MEOVV」に続いて送り出す新たなプロジェクトということで、早くも注目を集めている。
デビューシングルは『FAMOUS』。TEDDYの過去作から見て、HIP HOPをベースにしたポップミュージックが予想される。
ムン・ソユンのアイドルデビュー説は、これまでもたびたび取り沙汰されてきた。
当初、練習生たちと一緒にいる姿が目撃された際には、MEOVVのメンバーとしてデビューするのではないかという憶測も流れたが、最終的なラインナップには含まれなかった。
それから1年を経て、正式にALLDAY PROJECTでのデビューが決まったのだ。ムン・ソユンが自身のSNSに投稿した「ALLDAY PROJECT承認書」の写真には、7万件以上の「いいね」が付いた。
財閥家の子女が芸能界デビューすることは、K-POP市場では非常に珍しい。
海外では、ヒルトンホテル一族のパリス・ヒルトンが歌手活動を並行したり、俳優ウィル・スミスの娘ウィロー・スミスが歌手になったりした例はあるが、いずれも個人活動に近い。K-POPのように厳格な練習生システムを経てアイドルとしてデビューするケースは、ほとんど前例がないといえるだろう。
とはいえ、ムン・ソユンに付けられた「財閥ドル(財閥+アイドル)」という肩書きが、世間にどう受け止められるかは未知数だ。
彼女の「ダイヤのスプーン」ともいえる華やかなバックグラウンドは注目を集める一方で、距離感を抱かせる要因にもなり得る。K-POPファンは一般的に、アイドルの出自や家柄よりも、実力と真摯さに敏感に反応する傾向が強い。
結局のところ、ムン・ソユンがアーティストとしてどのような姿勢と実力を見せるかによって、「財閥ドル」という肩書きの意味も変わってくるだろう。
さらにもう一つの不確定要素は、「男女混成グループ」という構成そのものだ。
1990年代までは「Roo’ra」や「COOL」といった混成グループが黄金期を築いたが、2000年代以降のK-POPは、ボーイズグループとガールズグループに明確に分化した。
業界内では、ファンダム文化において男女混成チームは不利だという見方が根強い。ファン同士の対立や噂の拡散、グループの方向性設定の難しさなどが、混成グループが主流から外れていった理由とされる。
現在、韓国国内で活動を続けている代表的な混成グループは「KARD」程度で、彼らも主に海外市場に活動の軸を置いている。こうした流れの中で、ALLDAY PROJECTは異例の試みとして注目を集めている。
ある音楽関係者は「アイドルグループの制作費が急激に高騰するなか、リスクの多い混成グループは制作者たちがそもそも手を出さなくなっている」とし、「どのようなファンダムを主要ターゲットとするかが鍵になるだろう」と語った。
「アニー」という名で活動するムン・ソユンが「財閥ドル」という肩書きを乗り越え、混成グループに新たな黄金時代をもたらす存在となるか、注目されている。
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